聞くところによると、本日6月16日は「和菓子の日」だという。これは848年の今日、菓子類を神前に供え疫病退散を祈ったという「嘉祥菓子」の故事に由来するもので、1979年に全国和菓子協会が制定したらしい。ケーキもアイスも好きだけど、今日くらい和菓子に感謝の気持ちを伝えてもいいのではなかろうか。サンキュー、和菓子。
さて私、P.K.サンジュンは無類のスイーツ好きで、もちろん和菓子もこよなく愛している。中でも1番好きな和菓子が『くず餅』だ。くず餅……。普段はバカ食いする和菓子ではないが、一生に1度くらい好きなだけくず餅を食べ続けたっていいじゃないか。だって今日は「和菓子の日」なんだもの──。
・マイNo.1和菓子
自分が1番好きな和菓子は何なのだろう? 正直、私はこれまで真剣に「マイNo.1和菓子」について考えたことが無かった。おはぎ・みつ豆・いちご大福……どれも思い返すだけで「いいですねぇ」とニヤニヤしたものの、いまいち自分的にズバッと来ない。俺のNo.1和菓子は何なんだ?
そんなときである、くず餅の存在を思い出したのは。体中に電気が走り「それそれ!」と全細胞が満場一致で「くず餅!」「くず餅!!」「くず餅ィィィイイイ!」と雄叫びを上げた。そうだ、俺が好きな和菓子はくず餅なんだ……しかも、船橋屋のくず餅なんだ……!
・元祖くず餅の船橋屋
くず餅がお好きな方ならば100%の確率でご存じであろうくず餅の超老舗、船橋屋。船橋屋は1805年、亀戸の地に初代の勘助が開いたという元祖くず餅店で、勘助の故郷・船橋(今の千葉県船橋市)が屋号の由来だという。
私は幼い頃から母がくず餅好きだったこともあり、結構な頻度で船橋屋のくず餅を食べていた。プリンプリンの食感と黒蜜ときなこのハーモニー、さらには後味にふわっと香る独特の風味……! その存在を思い出してしまった今、マイNo.1和菓子は船橋屋のくず餅以外考えられない。
とはいえ、くず餅は1度に多くたって15切れくらいを食べるのがせいぜいの和菓子である。どれだけくず餅が好きだろうと生まれて42年間「くず餅だけでおなかいっぱい」になった記憶は無い。だが、テレワークが続き誰とも会わなくなった今こそ “くず餅三昧” のチャンスではなかろうか? というわけで、思う存分くず餅だけを食べ続けることにした。
・くず餅オンリー生活に突入
船橋屋は超有名店だけに、本店や支店以外でもくず餅が購入できる。今回は上野松坂屋の催事場にあった船橋屋で、最も大きい「得箱(60切れ入り)」を3箱購入。得箱は6~7名様用と書かれていたので、3箱でざっと20人前ということになる。価格は1箱税込1500円だ。
大好きな船橋屋のくず餅を大量ゲットした今、俺に怖いものは無い。総カロリーは3箱で約4500kcalあるが、それが何だというのだろうか? ファーストくず餅はカレー用の皿に得箱の2 / 3ほどのくず餅(およそ4人前)を盛り付け、黒蜜ときなこを超たっぷり投入。それを口に運ぶと……!
やっぱりウンマァァァァアアアアアア!!
これだよ、これ! 船橋屋のくず餅以外にないプリンプリン食感が最高すぎィィィイイイ!! そして何なの、この後引く独特の風味は? 今から200年も前にこんなウマいスイーツがあったなんて、初代勘助天才すぎるだろ! そりゃ江戸甘いもの屋番付で横綱にもなりますわ!!(これ本当)。
・本当にウマい
それなりにボリュームはあったものの、1食目は余裕で完食。米の餅とは違うため腹持ちはそこまで良くないが、食べ終わった直後の満足感はそれなりに高い。よっしゃ、この調子で今日の晩御飯もくず餅まみれや! ……と思ったのだが。2食目……、
早くも飽きてきた。
いや、くず餅自体は最高に美味しい。相変わらずコンディションは最高だ。……が、いかんせん塩分が足りない……というか、無い。ハッピーターンのように「甘い & しょっぱい」のコンビネーションなら無限にイケるものの、塩分の要素が皆無のくず餅は “無限食べ” に向いていない食材のようだ。
初日は1箱を完食したが、まだ2箱が丸々残っている。どうすんだコレ……と思いつつ、私は翌日以降も船橋屋のくず餅を食べ続けた。ウマい、ウマいんだよ、船橋屋のくず餅は。塩さえチェイサーで挟めばいくらでも食えるんだけどなぁ……。なぜ俺は1箱ずつくず餅を買わなかったのか?
・オンリー生活には向いていない
結局、得箱3つ分のくず餅は合計8回、2日半かけて完食した。正直、塩分のない生活はかなりきつかったので、どれだけ愛していても「くず餅オンリー生活」はオススメしない。1人で食べるとしても、せいぜい得箱1つが目安ではなかろうか?
というわけで、どんなに好きでも「塩分のない和菓子を食べ続けるのはツライ」というのが今回の検証結果となるだろう。でも船橋屋のくず餅、お前は最高だったぜ。また得箱を独り占めして食べまくってやるからな──。
参照元:船橋屋、今日は何の日
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼でもくず餅は大好きさ!