米系バーガーと言えば、昨今はマックの「ごはんチキンタツタ」が好評を博している。しかし、米で作るバーガーはモスのライスバーガーが元祖。モスよ良いのか? このままでは米系バーガーの代名詞がマックのご飯バーガーになってしまうぞ……? などと思っていたら、モスも5月21日から新作のライスバーガーを出していたもよう。
「海老天めんたい味」と「よくばり天めんたい味 ~海老とかきあげ~」の2品だ。天ぷらとめんたい味とご飯! どう考えても勝利が約束された組み合わせだが、気のせいかマックの「ごはんチキンタツタ」ほど話題になっていない感がある。値段が高めだったり、味が微妙だったりするのだろうか? 実態を探るため食べてみたところ……最高じゃねぇか!
・値段
モスというと、個人的には少し値が張るイメージがある。今回の新作がそこまで話題ではない理由として、真っ先にコスパを疑ったのもそのイメージゆえ。ちなみに新作の「海老天めんたい味」は税込み490円で、「よくばり天めんたい味 ~海老とかきあげ~」は税込み520円。
マックの「ごはんチキンタツタ」は税込み440円。「海老天めんたい味」とは50円差。「よくばり天めんたい味 ~海老とかきあげ~」なら80円差である。そこまで大きな差ではないが、「どうせ似たような米系バーガーっしょ?」的な思考で値段だけ見たら、マック一択になる可能性もなくない。
だが……先に結論を述べると、この50円やら80円の差はあって無いようなもの。むしろこのクオリティであれば値段は全く問題ないと評するほかない美味さだった。まずは「海老天めんたい味」からいこう。
・海老
サイズ的にはマックの「ごはんチキンタツタ」と似たようなもの。メインは海老の天ぷら2本と、そこにかけられためんたい味のソース。グリーンリーフというレタス的な植物と海苔が、上下のご飯との間に入っている感じ。
食べてみると、まず海老がプリップリで美味い。なんだこれ、天ぷら屋か? 海老のサイズもケチっておらず、バーガー全体でちゃんと海老の存在感が一番強い。そしてめんたい味のソースも美味い。
小さくした海老天丼を食べているようなもの……いや、海老天丼よりも強いかもしれない。海老天丼を食べていると、ご飯の量によっては海老もソースも尽きて、ただのご飯だけを食べざるを得ない、虚しい状況に陥ってしまうことがある。
これは海老天丼に常についてまわる重大なリスクで、きっと誰もが一度は体験したことがあると思う。モスの「海老天めんたい味」は、海老天丼からそのリスクを排除し、海老天丼の美味い部分だけを取り出したかのような、そんな仕上がりだ。これはもっと話題になって良いと思う。
・よくばり天めんたい味
続いて「よくばり天めんたい味 ~海老とかきあげ~」も食べてみよう。こちらは「海老天めんたい味」の海老を1本に減らし、そのかわりに海鮮かきあげ を入れたもの。公式HPによると、海鮮かきあげ の中身は、いか、海老、玉ねぎ、人参、枝豆だそう。って、こっちにも海老入ってんじゃねーか!
「海老天めんたい味」よりも厚さは圧倒的に増しており、そこそこデカい。
海鮮かきあげは、ちゃんと各具材がゴロゴロと入っている仕様で、目で見た時点でクオリティの高さを感じられる。
もはや「海老天めんたい味」の方で味に疑問は無いが、食べてみると期待通りに美味い。めんたいソースも良い感じに染みわたっており、どこを食べても常に海鮮かきあげ と海老、そしてめんたいソースの味がする。海老と海鮮かきあげ天丼の美味いところだけをくり抜いたかのようなバーガー。美味すぎて止まらない。
・メロンパンの皮だけのヤツの天丼版
まとめると、どちらも「天丼の一番良いところだけを抽出したバーガー」と例えるのがベストだと思う。かつて、メロンパンの中でも一番美味い皮の部分だけを抽出したようなパンが流行ったことがあったが、あれの海老天丼バージョンとでも言おうか。メロンパンの皮だけのヤツの天丼版。
さすがは米系バーガーの元祖。もっとバズって然るべきクオリティだと思う。ちなみに新商品の紹介ページには、モスが1987年からライスバーガーを売っていた旨が書かれている。全く知らなかったが、歴史の教科書にてモノクロの写真で掲載されている「ベルリンの壁の崩壊」よりも、モスのライスバーガーの方が古いことになる。
米系バーガーの元祖がモスだとは知っていたが、まさかそんなに昔から米でバーガーを作っていたとは。しかしライスバーガーの「海老天めんたい味」と「よくばり天めんたい味 ~海老とかきあげ~」の美味さは、確かに圧倒的な経験に基づいたクオリティを感じさせる。モスのライスバーガー新作2種、これは本当に美味しいです。
参照元:モスバーガー
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.