日清「どん兵衛」に湯切りタイプの『釜たま風うどん』が登場した時は衝撃を受けたものだ。どん兵衛に注いだお湯を流しに捨てるなど、サザエさんも軽く引くレベルのうっかり行為ではないか。しかし今では “汁なしシリーズ” として人気を博しており、すっかり市民権を得たようである。
2020年3月30日に新しく発売された『日清の汁なしどん兵衛 ラー油香るラーそば(税抜193円)』もその一つで、日清によれば、全国的に人気が拡大しているという “ラーそば” をどん兵衛流にアレンジした商品とのこと。現物が送られてきたため、さっそく作ってみようと思う。
・温冷対応
今では特に珍しくもなくなった汁なしカップ麺だが、この『ラー油香るラーそば』には一つ、驚くべきポイントがある。新開発の麺によって通常調理の「温盛り」はもちろん、なんと「冷盛り」を楽しむこともできるというのだ。温・冷どちらにも対応とは。日清め、やりおる。
ただ……これは個人的な印象だが、どうも日清は我々に、この商品を「冷盛り」で作らせようとしている気がしてならない。手元の資料にはこう書かれている。
「“温” と “冷”、どちらでもおいしいそばが、甘辛つゆに絡む!
冷やして追い卵で、よりおいしく!」
これは暗に「冷やした方がウマいよ」と言っているのではないか。あまつさえ別売りの追い卵まで要求してくるとは。日清め、やりおる。フタを開けてみると……。
コイツめっちゃ冷やし推してくるな!
・激推し
ここまで言われたら、冷盛りで食べないと損な感じがしてくるぞ。というわけで、日清の思惑通り(?)冷盛りで調理してきたい。まずはお湯を注いで5分待つ。この時、液体つゆをフタの上で温めてはいけません。クセでやりがちだが、それはどん兵衛トラップだ。気を付けろ!
5分経ったら湯切り口からお湯を捨てる。普通だったらこれで完成でも、冷盛りの場合はまだまだ終わらない。今度はそこへ水道水を注いで……。
水を捨てる。この作業を、なんと3回も繰り返すそうだ。え、3回!? そうすることで そばの食感が良くなるとのことだが、カップ麺のお手軽要素どこ行った。
終わったら液体つゆをかけてよく混ぜ合わせ、ふりかけをかけて出来上がり。
ただ、卵がないとやはり損した感じになるので上から落としておこう。冷蔵庫に卵があってよかった。なかったら精神的に詰んでいた。
あとは卵と麺をよく混ぜ、食べるのみ。
・初の冷盛りどん兵衛
一度完成したカップそばを、水で冷やしちゃったりして大丈夫なのか? という疑念は、一口食べたらすぐ消えてしまった。ぼそぼそ食感かと思いきや、まっすぐかつ、しっかりとした強いコシが残っているのだ。さすがのどん兵衛クオリティー。
ラー油の食欲をくすぐる香りがあたりに漂うも、辛さ自体はかなり控えめ。かつお出汁に肉汁の旨みを効かせた甘めのつゆとなっており、それらが卵と合わさることで、どこかユッケに似た味わいを生んでいる。個人的には、そばというより酒のつまみ的な感覚かな。これはこれでウマし。
・二つ買え
温盛りか、それとも冷盛りか。二つの味を楽しめるかと思いきや、実はそれは不可能で、湯切りの段階で必ずどちらか選択しなければならないのが この『ラーそば』のいけずなところ。よってオススメは、二つ買って二通り試す。これよ。もちろんその際は卵の用意も忘れずに。自宅で食べるのに適しているので、外出自粛用にどうぞ。
参考リンク:日清食品
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
▼そこにいるだけで何となく場が華やぐ。卵とは偉大なアイテムだ。別売りとは言え、あった方がいいだろう。