今週末の中央競馬では春のスプリント王決定戦・高松宮記念が開催される。昨年は400万馬券も飛び出した当レースだが、今年も波乱含みの様相だ。
マイルG1馬が大挙して出走する異例のメンバー構成に加えて、週末は雨予報&乗り替わりも大量発生。何から予想すればいいか分からないハードモードの中京決戦を徹底分析します!
・マイル組の評価は
日曜中京のメインは芝1200mで行われる高松宮記念。今年はコロナウイルスの影響で無観客開催となるが、電話・インターネット投票による馬券発売は通常どおり行われる。
なんといっても注目は、距離を短縮して挑む4頭のマイルG1馬(①ステルヴィオ、⑧グランアレグリア、⑭モズアスコット、⑱ノームコア)だ。これらの馬をどう評価するかが予想のポイントになるだろう。
高松宮記念に出走したマイルG1馬の成績を近10年で調べてみると、結果は一息といったところ。ミッキーアイル(15年3着、16年2着)とレッツゴードンキ(17年2着、18年2着)の好走例はあるが1着には及ばず。
他にはジョーカプチーノ、リアルインパクト、ローブティサージュ、レーヌミノルなどが出走しているが、いずれも馬券圏外。生粋のスプリンターを相手に回して、いきなり頂点に立てるほど甘くはないということが伺える。
今年の4頭は1200mの出走経験すらなく、マイル組の馬は少し不安要素の方が大きいかなと筆者は思う。
あえて買うとすれば、⑧グランアレグリア。昨秋のスプリンターズSにも登録しており、早い段階からスプリント路線への準備を始めていた経緯がある。他3頭に比べて計画的に当レースへ進んできた感じがするので、これは狙ってもいいだろう。
・セイウンコウセイ、妙味たっぷり
筆者の本命はマイル組ではなく、3年前に当レースを勝利した⑫セイウンコウセイ。過去に勝っているという実績もさることながら、重要なのは脚質。
高松宮記念は圧倒的に前有利のレースで、特に逃げ馬より先行馬に妙味がある。2014~2019年にかけて勝利した馬の3コーナー通過順位を見ると、いずれも2~6番手。先行馬が現在6連勝している。
あまりペースは関係なく、前半3ハロン32.7秒と乱ペースになった2016年でさえ先行馬同士のワンツーフィニッシュ。つまり他の馬を行かせて好位に付けられる馬を買うのがポイントだ。
その意味で⑫セイウンコウセイはドンピシャ。ゲートが抜群に上手いのでポジションを取り損ねる心配もなく、⑮ナックビーナスや⑯モズスーパーフレアを行かせて理想的な位置を取れるだろう。
7歳という年齢が気になる方も多いと思うが、これは大丈夫。前走シルクロードSでは追込馬に有利な馬場状態で5着に粘って健在をアピール。衰えるそぶりはない。ちなみに高松宮記念は7歳以上の馬が過去10年で3勝している(2010年&2011年キンシャサノキセキ、2015年エアロヴェロシティ)。
また道悪巧者でもあり、前回勝利した2017年の高松宮記念は稍重馬場。したがって今週末の雨予報も味方になる。ルメール騎手不在の影響で乗り替わりが大量発生するなか、手の合う幸騎手とのコンビで挑めるのも強み。どう考えても旨味しかない。
ということで、筆者は⑫セイウンコウセイから強気に馬単で勝負してみたいと思います。⑫を軸(1着固定)にして、相手は②⑥⑧⑨⑩。
・「超穴馬」はこれだ!
とはいえ⑫セイウンコウセイは実績がある馬なので、そこそこ穴人気する可能性もある。それじゃ脳汁が出ないんだよ~という困った貴方のために、来れば高額配当まちがいなしの「超穴馬」も紹介しておこう。
ずばり④ティーハーフだ。高松宮記念には過去3度出走しており、結果は14番人気6着、16番人気4着、11番人気5着。馬券には絡めていないながらも、人気を大きく上回る謎の激走を見せている。
ぶっちゃけ厳しいとは思うが、このレースに適性があるのは確か。何が起こるか分からないのが競馬だし、宝くじ感覚で少しだけ買っておくのはアリではないだろうか。たぶん単勝でも万馬券になるぞ、これ……
お客さんがいないG1レースというのも寂しいが、それも現在の情勢を考えると仕方ないだろう。勝利を目指して奮闘するジョッキーや馬の気迫は、テレビの画面を通してでも伝わるはず。コロナに負けない熱戦を期待しようではないか!