昨年9月。齢33にして(当時)初めて新幹線のグリーン車に乗った私(あひるねこ)がもっとも驚いたのは、座席間隔の広さでもなくリクライニングの深さでもなく、おしぼりのブ厚さであった。あの圧倒的なまでの厚みは、おしぼりの概念を根底から覆すと言ってもいい。

以来、私は心のどこかでグリーン車で知り合った、あの魅力的なおしぼりを求め続けてしまっている。他のおしぼりで手を拭きながらも、脳裏に浮かぶのはグリーン車特有の色温度が低い照明だ。頼む、もう一度だけでいい。アイツで手を拭かせてくれ……。

・グリーン車のおしぼり

新幹線のグリーン車はたしかに素晴らしい空間だった。しかし、私には少々贅沢が過ぎるサービスだ。よって次に乗るのはおそらく死期が迫った時ではないかと思われるが、それ即ち、あのおしぼりとの今生の別れを意味する。最後に一目会いたかったが、これも運命というヤツだろう。

と思ったら、なんとアマゾンで普通に売っているらしい。けっこう近所に住んでんのな。日清紡が販売する『めんですおしぼり』という商品で、サイトにはハッキリ「新幹線グリーン車で出される」との表記が。灯台もと暗しとはまさにこのことか。

・アマゾンで購入

『めんですおしぼり』は質によって3段階のグレードがあり、それぞれ厚さや大きさが異なるようである。前に私がもらったのはエコノミーのような気がするが、今回は思い切って最上位の『めんですゴールド』を購入した。おしぼりへの厚い想い、いや熱い想いを示すのだ。


箱を開けると、中には100本のおしぼりが……!

思わず業者かよと声が出てしまったが、言うまでもなくこれらは普通のおしぼりではない。天然コットン100%で作られた王のおしぼり、つまりおしぼり王である。値段は100本で税込3200円。299円均一の居酒屋などでは決してお目にかかれない代物だ。


やっと会えたね……。


約半年ぶりの再会となったグリーン車仕様おしぼり。

すでに一度体験済みとは言え、


やはりブ厚い……!

・激アツ

その厚さは一般的なおしぼりを遥かに超えており、もはや布の領域にまで達してしまっているようだ。前回も同じことを思ったが、これと比べたらいつも使っている紙おしぼりは湯葉である。ホットミルクにできる膜である。サガミオリジナルである(0.01ミリ)。

拭き心地も大変すばらしく、それでいて破ける気配はないという柔と剛を併せ持った達人の如き佇まい。本来ならば、こういったおしぼりで顔を拭くなんてことはしないのだが……。


今回ばかりはイクしかあるまい。

普通の紙おしぼりだと、しばらくテーブルに置いておくと乾燥してただの紙のようになってしまうが、この『めんですおしぼり』は開封から1時間以上経っても潤いを持続している。まさにおしぼり界のドモホルンリンクル。あらゆる点で他を超越していると言っていいだろう。おしぼりとしての格が違うのだ。

・感謝感激

ああ、ありがとう『めんですおしぼり』。もう二度と会えないと思っていた。新幹線のグリーン車じゃないと会えないと思っていた。じゃあ死期が迫るまで会えないやん。でも、これからはいつだって一緒だ。上質すぎて使いどころがよく分からんと言えば分からんが、いつでも一緒なんだ。


本当にありがとう。


参考リンク:Amazon「日清紡 めんですおしぼり 最上位・金100本セット」
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.