福岡県北九州市には、都市伝説的に語られている幻のパン屋がある。夜明け前に開店して1個40円のパンを販売し、9時前にはすべて売れて閉店となるらしい。だから日中はシャッターが閉まったまま。パッと見「休業中」のオーラを漂わせている人気店なのだとか。
そもそも2020年に40円のパンを販売している時点で奇跡なのだが、早起きをしないと出会えないって……死ぬほど気になるだろ。そんなわけで今回は、小倉名物だという『虎家のパン』に行ってみることにした。早起き頑張ります。
・虎家のパン
北九州市モノレール「香春口三萩野駅」から歩いてスグの場所にある『虎家のパン』。確認のため昼間に行ってみたところ、たしかにシャッターが下りていた。なんなら「移転したのかな?」と思ってしまうほど営業している気配はゼロ……だがしかし。
シャッターには……
「5時開店です」と書いてある。
なるほど、40円のパンまつりは早朝5時から開催か。ちなみに日曜日は定休日らしい。落書きの可能性も捨てきれないが朝早く来てみる価値はありそうだ。よし……
・朝5時過ぎに到着
というわけで、死ぬほど早起きをして朝5時過ぎに再び『虎家のパン』にやって来た。果たして噂は本当なのだろうか。外はまだ真っ暗だが……
営業して……
るぅぅうううううううう!
・3種類のパン
マジじゃねぇか。おいもう完全に目が覚めたぞ。そして販売しているパンは「アンドーナツ」「カレーパン」「リングドーナツ」の3種類で、すべて1個40円とのこと……40円もマジだった。聞けば、ちょっと前までは30円だったらしい。どーなってんだよ。
もちろん全種類購入した。総額120円である。さっそく持ち帰って開封すると、手のひらサイズの揚げパンが登場。パッと見「さつま揚げ」のような昭和なビジュアルだが美味しそう。まだ温かい。
ちなみに最も人気があるのはカレーパンで、毎朝1番早く売り切れるという。さっそく食べてみると、生地はしっとりもちもち食感で、カレーは甘口、家庭の味。具材は玉ねぎのみでシンプルだが、これで40円はやっぱり安い。揚げたては美味いんだよなぁ。
アンドーナツもどこか懐かしくて優しい味。薄い生地の中にどっしりとした密度で餡が詰まっているものの意外とあっさり食べられる。どのパンも表面はしっとり油をまとっているが、アンドーナツはとくに食後にくどさが残らなかった。
そんでまあリングドーナツも同じように美味しかったのだが、2~3個立て続けに食べると油でウッとなるから要注意。パンを全種類ゲットした達成感で一気に食べてしまった……まだ夜明け前だったのか。
・早起きしてでも食べたくなるパン
とにかく、昔ながらの素朴な揚げパンは「美味い・安い・朝早い」の3拍子で幻どころか伝説となっていたが……たしかに実在した。地元に帰省する度に早起きしてでも食べたくなるのはこーゆーパンだろう。もし店が開いていたら全種類コンプリートをオススメする!
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 虎家のパン
住所 福岡県北九州市小倉北区黄金1-4-13
時間 5時頃~売り切れ次第終了
休日 日曜・祝日
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
▼夜明け前にオープンする「虎家のパン」