吉野家といえば、「牛丼」である。実は吉野家ホールディングスには牛丼のほかに、はなまる(うどん)・アークミール(ステーキとしゃぶしゃぶ)・京樽(寿司)など、他の業態の飲食店がある。さらに子会社の運営する業態には、天ぷら専門店(あげたて天兵衛)やセルフ焼肉(トノサマカルビ)などが存在する。

今回紹介する「鶏千」も、吉野家子会社が運営する親子丼とから揚げの専門店である。私(佐藤)は以前からお店の存在を知っていたが、目の前を素通りし続けていた。まさか吉野家と関わりのある会社が運営しているとは、思いもよらなかったぞ。

・今さらマジかよ

鶏千は都内にまだ3店舗しかない。私が素通りしていたのは、東京メトロ丸の内線の新高円寺駅から徒歩30秒のところにあるお店だ。今からちょうど1年前の2018年12月にオープンしていたのに、とくに関心を抱くこともなく、店の前を100回以上通過していたのである。


ここはイートインだけでなく、テイクアウトにも対応している。ある日、たまにはから揚げでも買って帰るかと思い、お店のことをネットで調べたところ、吉野家の子会社、株式会社スターティングオーバーが運営していることに気付き、今さらマジかよ! となった次第である。


・売りは親子丼だけどチキン南蛮定食

さてメニューを見てみると、から揚げだけでなく、チキンカツとチキン南蛮も扱っている。お肉をしっかり食いたい気分だったので、チキン南蛮定食(税込870円)にから揚げ(塩、1個110円)を3個も追加注文した。あとで気づいたが、そう言えば親子丼も売りだった。親子丼には、富士山麓深層水で育った赤鶏の卵「きよらグルメ仕立て」と「うまかハーブ鳥」を使用しているそうだ。その味を知るのは、少し先のことになりそうだ……。


店内では揚げたてを提供しているとのことなので、しばし待つことに。7~8分待った後に、ご飯・みそ汁・漬物と共に、キャベツがたっぷり灯られたチキン南蛮の定食が運ばれてきた。見るからのボリューム満点。別途から揚げを3個頼んだのは、欲張りすぎだっただろうか。


チキン南蛮は、うまかハーブ鶏の胸肉を使用しているそうだ。たっぷりの南蛮酢とたっぷりのタルタルソース。う~ん、見るからに食欲をそそる。メニューのチョイスに失敗したと思っていたが、どうやら思わぬアタリを引き当てたらしい。これ絶対ウマいやろ!


・おやつでもイケるから揚げ

食べてみると、まずは肉質の柔らかさに驚く。しみ出るような肉汁の甘さと、南蛮酢の酸味が味のコントラストを織りなして、いくらでも食えるような気がしてくる。自家製のタルタルソースの味も相まって、ご飯が良く進む。


追加オーダーしたから揚げは、醤油・塩・にんにく・カレーの4種類用意ある。4種のから揚げを一度に味わえるから揚げ定食もあるので、から揚げ大好き! という人はコレを注文すると良いだろう。なお、この日の私は塩の気分だったので、ほかのものを頼んでいない。


サイズはやや小ぶりの印象を受ける。お店では、夜のちょい飲み需要にも対応しているため、ツマミを意識してこのサイズになっているのかも。小ぶりでも味はしっかりしており、ついつまんでしまう中毒性を有している。もしも私が学生なら部活帰りに5~6個買って帰りたくなる。そんなおかずでもおやつでもイケる素朴な味である。


それにしても、吉野家関連会社が親子丼の店を運営していたとは。「牛丼といえば吉野家」だが、今後は「吉野家といえば牛丼、だけじゃない!」時代が訪れそうだ


・今回訪問した店舗の情報

店名 鶏千 新高円寺店
住所 東京都杉並区梅里2-1-19
営業時間 11:00~23:00

参照元:吉野家ホールディングス
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24