いちいち説明するまでもないが、邪道とは正しくないやり方を指す。しかし、見方を変えれば “ある意味正しい” ともとれるようになる。それこそ「邪道こそ王道」で知られる大仁田厚のように、だ。
そして今回、餃子を食べるにあたり「邪道こそ王道」がピタリと当てはまる一品を見つけた。それは北海道民が激推しする「ぎょうざの宝永」。同店の餃子は味よし・汁よし・サイズよし……なのだが、チーズ餃子は邪道であり王道でもあった。
・北海道民オススメ
先に述べた北海道民というのは、ライターのK.ナガハシ。絶対音感ならぬ “絶対食感” を持つ彼は、当編集部イチの美食家と言っても過言ではなく、これまで美味しいと絶賛した料理で失敗したことは記憶にない。
そんなナガハシが「北海道の餃子の中でトップクラスに美味しい」と推すとなれば、当然ながら「ぎょうざの宝永」も外す方が難しいというもの。もはや食べる前からテンションがぶち上がるが、はたして宝永の実力はいかに。
・邪道入りの餃子セット
北海道の店舗で食べるとなるとさすがに遠いので、通販で宝永バラエティ20セット(5200円)を注文した。
数日後には商品が到着。箱を開けたら入っていたのはノーマル、ニンニク入り、手羽、そして……
チーズ餃子の4種類と邪道入りである。そんじゃさっそく作っていきますかぁ〜と思いきや、宝永の餃子はちょっと変わった作り方もできるらしい。
普通にフライパンで蒸す作業からでも作れるが、沸騰したお湯に入れてから作る方法が “上手に焼くための調理法” として紹介してあったのだ。お湯から取り出し、フライパンで熱して焦げ目をつけたらOK。そう聞けばそっちでやるしかあるまい。まずはニンニク入りのノーマル餃子から!
まるで水餃子みたいだなぁ〜なんて思いながら餃子を熱湯に入れていく。それにしても……
一口サイズで小さい。また、普通の餃子と形も違うが、北海道の有名店だから何かしら意図があるのだろう。
……という推測はさておき、お次はフライパンにのっけて水分を飛ばしていく。
それから油を注ぎ、焼き目をつける。確かにフライパンで蒸す調理法よりも楽チンだ。
そして完成した餃子を付属の甘めのタレにつけて食べれば……おぉっ、これは……!
かなりのニンニキー(ニンニク多め)である。すでにウマいなぁと感じる味だが、そこから噛めば野菜の甘さ、ジュワッと肉汁が飛び出してくる。うんうん、これはどれをとっても……
お見事! 大きさも前述したように一口サイズだからポンポンいけちゃう。これはアリアリ。食べたことあるようでない……唯一無二と言ってもいい餃子である。
・ニンニクなし
また、ニンニクなしの餃子を食べると別の顔を覗かせるからおもしろい。ニンニキーがなくなったら、なんとショウガの強烈な主張が始まる。
それでいて、野菜の甘さは健在。こちらも味よし・汁よし・サイズよしで万人受けするような餃子と言える。餃子はバランスが大事──そのことを改めて教えてくれるようなウマさだ。しかし、それだけで終わりじゃないのが北海道の宝永!
・邪道チーズ
というのも、邪道のチーズ餃子がそんじょそこらのものじゃなかったのだ。ほとんどの食べものはチーズの圧倒的な戦闘力の前に無力化するが、宝永は小さい餃子のわずかなスペースを最大限に活用していた。火を入れたら……
チーズが餃子の中から噴火してきたっ……! 溶岩みたいにドロドロと溢れ出してきたら、もう辛抱ならんだろう。こんなもん……
こんな見た目から絶対にウマそうな餃子は……
邪道じゃ……。
当然口に入れてもWow(ワァーオ)!
匂いワァーオ! チーズワァーオ!!
北の大地攻めるねぇ〜。一言で表現するなら「餃子版ラザニア」でめちゃんこウマい! 外国人観光客が餃子屋に並んでいるのをよく見かける昨今だが、これは外国で流行りそうな味。ちなみに宝永の餃子はこれまでスタンダードの餃子のみ販売していたが、世の中の変化に伴い新しい味の餃子も作るようになったらしい。波、乗ってる!
・邪道×邪道
そしてここからは邪道を王道へと押し上げる方法をお伝えしておこう。チーズなんてズルい……と言いながら、大仁田厚のファンである編集部・GO羽鳥(GO仁田厚)が手にしたのは……
ピザソース(タバスコは手元になかった)。つまり「邪道×邪道」の食べ方なのだが、口に入れたらこれがなんと……!!
もはや餃子じゃなくなった(笑)
感想を直球で言うならば「イタリアに来たと思ったらメキシコだった」。つまり、一度だけでなく二度までも “味変” したということだが、これはタバスコも絶対に合うだろう。正直、付属のタレを使っている場合じゃない!
邪道……邪道じゃが、これは……
王道じゃ!
【完】
参考リンク:ぎょうざの宝永
Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.