考えてみれば、日本人は料理を食べる際、何かに「つける」ことを非常に好む集団のような気がする。刺身を食べる時は醤油につけるし、そばを麺つゆにつけたり、鍋を食べる時もタレにつけたりする。結構な「つける」率だ。クールジャパンならぬツケルジャパンである。
いまひとつウィットに乏しいジョークを披露したところで、今回は筆者が最近知った「つける」料理をご紹介したい。その名は「つけナポリタン」。驚くことなかれ、洋風のメニューでありながら、日本の象徴・富士山を擁(よう)する静岡県富士市のご当地グルメである。
なんでも「つけナポリタン」は、富士市の町おこしのために開発されたグルメだそうだ。一体どんな料理なのか興味深い。当然富士市に行けば食べられるわけだが、都内でも提供しているお店があるという。
東京住まいであり、かつ深刻なレベルで遠出を苦手とする筆者は、その情報に喜びを噛み締めながら家を出た。
向かった先は恵比寿のカフェ&バー「ライオンのいるサーカス」だ。
同店は富士市にあるカフェ「Cafe Sofarii」と同じ系列店とのことで、ゆえにこの場所でも「つけナポリタン」が食べられるわけである。
メニュー表によると、1000円でドリンクが付いてくるのに加え、半熟卵・ブロッコリー・オニオンスライス・たっぷりコーン・がっつりガーリック・がっつり唐辛子の6品目の中から2種類をトッピングに選べるらしい。
通常の「つけナポリタン」のほかにも、「シーフードつけナポリタン(1100円)」や、辛口の「DEATHつけナポリタン(1200円)」が用意されている。唐突に死を想起させるメニューが現れたので気にはなったが、当初の予定通り通常のものを頼むことにした。
注文後、ほどなくして実物が到着。トッピングに選んだ半熟卵がスープに乗せられ、ガーリックが小鉢に入って添えられている。レモンが標準装備されているのも見逃せない。
しかし何と言ってもひときわ目を引かれるのは、ナポリタンの名に違わぬ赤々としたスープだ。
一方で麺の方からは、パスタというより中華麺の印象を受ける。「つけナポリタン」自体が、つけ麺に近い料理のようだ。そうなれば話は早い。こっちのものだ。
未知のものを前にした時、自分の知っているものと照らし合わせる。知能を持った生物としての習性を「つけナポリタン」に対しても発動しながら、麺をスープに浸す。
勢い込んですすってみると、トマトの酸味が快く口の中で弾けた。だが思っていたよりもナポリタン感は少ない。かといってそれが不満を招くようなことはなく、食べやすさにつながっている。
スープに溶け込んだ牛スジから生まれるコクのおかげだろうか。さっぱりとしていながらも、味覚を素通りしていかない美味しさのある料理に仕上がっている。付け添えのレモンを絞ると、いっそう清涼感が増すのも嬉しい。
さらに忘れてはいけないのがトッピングである。ひとたび半熟卵を割れば、そのとろみによってマイルドな味わいを楽しむことができるし……
ガーリックを加えたなら、ガツンとジャンキーな風味が湧き出し、料理が変わったのかと思うほどの揺さぶりを体験できる。
食べ終わる頃には、筆者は前言を撤回したい気持ちになっていた。反射的に「つけ麺に近い」と言ってしまったものの、この料理の奥深さは、単なる「新たなつけ麺」の域を出ているように思う。「つけナポリタン」という全く別の料理の個性にまで到達していると感じる。
良い意味でのB級的なごった煮感から、食べる者を何としても喜ばせようというご当地グルメとしての情熱、貪欲さすら受け取れるといっては言い過ぎだろうか。ともあれ、これは間違いなく食べる価値のある料理だ。今よりももっと広く認知されてほしい限りである。
興味を持たれた方は、ぜひとも「つけナポリタン」を味わいに足を運んでみてほしい。「つける」料理でありながら、つけ入る隙のない一品である。お後がよろしいようで。
・今回紹介した店舗の情報
店名 ライオンのいるサーカス
住所 東京都渋谷区恵比寿南2-3-1
営業時間 ランチ 月~金 11:30~16:00、土・日 12:00~16:00 / ディナー 18:00~23:00
定休日 不定休
参照元:富士つけナポリタン大志館、TABISURU CAFE
Report:西本大紀
Photo:Rocketnews24.
▼静岡県富士市のご当地グルメ「つけナポリタン」
▼ナポリタン色をしたスープ
▼しかし麺はつけ麺風
▼さっぱりとしていながらもコクがある
▼さまざまに表情を変える、奥深い美味しさ
西本大紀












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