私は根っからの「おかめ派」だ。極小粒、3パック付いてて100円以下の「おかめ納豆派」だったのだが、新たな世界を知ってしまった。いや、見てしまった。いいや、踏み込んでしまったとでも言おうか。
冷やかし半分で高級スーパー「成城石井」をパトロールしていたら、ズバリのネーミング『成城石井の納豆』なる商品を発見してしまったのだ。気になるお値段は3パック入りで税込み237円。普段の2倍強の価格である。
パッケージには「北海道産大豆100%使用」という表記と共に……
「北海道産『鈴丸』を使用しています。粒ぞろいが非常に良く、極小粒ながら旨味がしっかりと感じられるのが特徴の大豆。温かいご飯と一緒にお召し上がり頂きたい逸品です。」と書かれている。鈴丸、なんだか知らんが、すごそうだ。
そしてパッケージを開くと……
む……
むむ……
な……
なんと!
スルッとビニールが外れちゃった。いつもだったらこのビニール外しに苦労するのに、成城石井の納豆の場合は比較的スルリと外れてしまうのである。ネバらないとでも言おうか。さらに……
気品……!
気品ある粒ぞろいの大豆。これが鈴丸。かき混ぜるのを躊躇(ちゅうちょ)するほど、お行儀よくパッケージに収まっている。さすが鈴丸。
しかし、断腸の思いでかき混ぜると……
これまた品!
なんだろう。ピーナッツのクリームかな? いや、ちがう。よく見たら納豆だ……くらいの “非納豆感(ひなっとうかん)” があるように見えるのは私だけだろうか?
ネギを入れると、より一層、美しき。
それを “温かいご飯と一緒にお召し上がり頂きたい逸品です” と書いてある通り、ホカホカごはんの上にかけましたら……
ビューティフル……
いや……
神々しい。
神を感じた。直感的に、そう思った。しかし、いざ納豆ごはんをパックンチョしてみた直後、私の直感は正しかったと痛感した。というのも……
もしも納豆が道ならば、
私は参道(さんどう)を歩いていた。
何を言っているのかわからないかもしれないが、もしも納豆が道ならば、私は参道を歩いていたのである。いつもの納豆が草木生い茂る繁道(しげじ)だとしたら、成城石井の納豆は、心もシャンとする参道なのだ。
こんなに気品ある納豆があって良いのか。
だってだって……
納豆の匂いがほとんどしないとはどういうこと? なのに、食べたら「納豆の美味しさ」を確かに感じる不思議な納豆。本当に驚き。これが鈴丸の実力なのか……!? 納豆嫌いな人でも食べられるのではないだろうか?
そして第二の衝撃は、本当に「粒が揃っている」ということ。同じような大きさ、同じような形の大豆が、納豆のネバネバでガッチリとスクラムを組んでいるような感覚。口当たりも気持ちが良い。スゴイスゴイ!
最後の衝撃は、「納豆を食べているような気がしない」ということ。いつまでも口の中で納豆がネバりにネバることもなく、スッと喉に入ってハイ終わり的な。後腐れなく、後味が実にサッパリしているのだ。最高〜!!
もちろん私は「おかめ派」なので、これを機に「成城石井派」に鞍替えしようだなんて思っていない。しかし、普段の2倍強(237円)を払うだけで、こんな衝撃×3回分が味わえるのだとしたら安いもの。年に数回、いや、月に一回くらい鈴丸を拝んだって、きっとバチは当たるまい。
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24