世界に1つだけのオリジナル靴下を作れる……だと? しかも、あの「無印良品」で……?

そんなもんやるっきゃないだろう! と喜び勇んで実際に作ってみたのだが、結論から言うと 思てたんと違うのが爆誕してしまった。全ては私に責任があるのだが、どうか読者のみなさんは私の二の舞にならないでいただきたい。俺の屍(しかばね)を超えて行け!

オリジナル靴下が作れる無印良品は、全国でも東京・墨田区にある「錦糸町パルコ店」のみ(12月5日現在)。2019年3月にオープンしたばかりの新店舗だ。ちなみに錦糸町には「アルカキット錦糸町店」もあるので注意されたし。とにかく錦糸町駅の南口からパルコに突っ込めば間違いない。

ワンフロアの無印店舗の中では 関東最大級の売り場面積を誇るというパルコ店。だだっ広い店内を歩いていると目についたのが「靴下工房」。

全面ガラス張りの工房の中には、いかついマシーンの姿が! そう、何を隠そう この機械こそがオリジナル靴下を製造できる「編み機」なのだ。

ベースとなる靴下は無印良品の人気商品『直角靴下』。サイズは子供用(15cm~)から婦人用(21cm~)、紳士用(25cm~)と取り揃えているが、色は全サイズ「グレー」のみのようだ。

無地のものならば1足400円、柄入りなら600円(ともに税込み)だが、当然 今回は “オリジナルの柄入り靴下” を作ることにしてみたぞ!

どうやって作るのかというと、店舗に設置されているSurfaceパソコンのお絵描きソフト(Photon)で、

マウス もしくは タッチペンを使って、絵柄を描くのだ!(筆者はタッチペンで挑戦)

タッチペンはまったく使ったことがないが、手元には説明書もあるし、店員さんの丁寧な説明もあるし、お絵描き機能があるスーパーファミコンの「マリオペイント」なら死ぬほど遊んだから、まぁなんとかなるだろう!(と、当初は思っていた……)


 

・30分1本勝負のタイムアタック

さて、このオリジナル靴下を作る上で注意点がいくつかあるのだが、まず1つ目が「30分の制限時間」があるということ。大体の目安時間だろう? と思っていたのだがタイマーを設置されるのでそこはガチンコ。ということで、30分 1本勝負の本番、スターティン!

今回 私が作ろうと思ったのは「ロケットニュースのオリジナル靴下」である。

ロケットニュースのロゴをワンポイントであしらった靴下を作ったら結構かわいくて、しかも使いやすいものが出来上がるのでは? 

絶対、イイ!!(^_^) うまいことできたら大量生産して編集部のみんなに売りつけようっと~!

さあ描くゾ~! ちなみに使える色は 黒・緑・青・白・赤・黄色の全6色だ。まずは、ロケットの先端を描いて……

次に、胴体も描いて……

尾翼(びよく)も描いたけど……

なにこれ……全然「ロケット」っぽくない……

ここで2つ目の注意点──「絵心ない奴は心せよ」。私の場合、自分が描いたド下手くそなロケットを見てマジで心が折れそうになった。というか、心の支えだった「マリオペイント」経験も、よく考えたらあのゲームは “あっふんあっふん” させていただけで、それほど絵を描いた記憶がなかったのだ。これ、描ききれるかな?(汗)

自分が描いたロケットとロゴ、何がどう違うんだろう……と見比べてみたら、ハッ! と気づいた。ロケットの弾頭部分を赤く塗りつぶせばいいんだ! しかし──

なんか、「血だらけのヘチマ」みたいなのができた。しかもケツから火 噴いているし……。

絵心なさすぎぃぃぃぃぃ!!!

もうヤダよぉぉぉぉ!!! 帰りたいよぉぉぉぉ!! 

しかし、残り時間は5分を切っている。泣きわめいているヒマはないのだ。必死に修正をはかるが……

ダメだ、もう何やっても ヘチマにしか見えない……どうすんだよ、これぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

と、ここでタイムアップ! アディショナルタイムはあるのか? と思ったが、店員さんが問答無用で「お時間でーす」と試合終了のホイッスルを鳴らす。ああ、やめて……画面を見ないで、恥ずかしい……。


・3週間で完成

かくして、無印良品の靴下製造ラインに加わることになった私のヘチマ。当初は2週間ほどで完成するはずだったが、私が発注した時期は混雑していたのに加えて機械トラブルが発生したらしく、3週間ほど要した。

で、3週間後……(ドキドキ)ついに「オリジナル靴下」が完成したッ!!

思てたんと違~~~~う!!!!! 

ヘチマ……もとい、ロケットの位置が想定以上にズレてしまったぁーーー!!!!

思い描いていた理想では、ロケットが靴下の上部にきてほしかったのが、完成したものを見てみると 足のくるぶし~甲にかけてロケットが飛んでいる。そして、デカイ。無印じゃないにも程がある。

ここで3つ目の注意点だが、「ワンポイント靴下を作るなら小っちゃーく、そして、きちんと上に絵を描こう!」

店員さんからレクチャーは受けていたし、説明書にも書いてあるのだが……私の場合、画面を拡大したせいか、はたまたテンパりすぎていたのか、画面を俯瞰(ふかん)的に見るのを怠(おこた)り、結果として間違った場所に絵を描いてしまっていたのだ。ちなみに後で店員さんに聞いたところによると、ワンポイントはすごく小さく描かなきゃいけない上に難易度が高いらしい。

ということで、経験者の私から初心者のみなさんにお送りしたい もっとも重要なアドバイスは「事前に靴下のイメージを店員さんに相談すること」。これをやっておけば、多少なりとも自分の理想に近い靴下ができるだろう。


 

・店員さんが神だった

ああ、それにしても私の靴下は完全に失敗作だな……。コレはせめて人に笑ってもらわないと立ち直れないと思い、店員さんを相手に自分の靴下を自虐的にこき下ろした。

筆者「ぼく、完全にやらかしましたね……すごいもん作っちゃった。はは……」

店員さん「そんなことないですよ! すごく素敵です」


 

ウソだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!(泣)

優しくするのはやめてくれ……涙が出るから……


 

筆者「そう……ですかね」

店員さん「他のお客様は、もっと自由に、派手に、楽しく靴下を作っていますよ! 自分だけのオリジナル靴下ですから^^」

確かに「靴下工房」にディスプレイされている靴下を見ると、結構はじけたデザインのものが多く目につく。そうか……靴下って、自由でいいんだな。それに、俺は世界に1つしかないオリジナル靴下を所有している! と考えれば、不思議と愛着もわいてきた。ありがとう、無印の店員さん!

そして、なにより──無印の『直角靴下』の履き心地は、サイコォォォーーー!!!! イヤッフゥーーーー!!!!

興味のある方はぜひご自身のオリジナル靴下を作ってみてほしい。ちなみに受付は店頭のみで、電話予約は不可。また12月5日現在、申し込みが殺到しているため納品までに4週間ほどかかる可能性があるとのこと。クリスマスプレゼントに検討している方はやめておいた方が無難そうだ。

あ、あと! 画像データの持ち込みもできないから、絵心ある人もない人も、己の画力で描くしかないぞーッ! がんばれ~!

参考リンク:無印良品 錦糸町パルコ店
Report :ショーン
Photo:RocketNews24.
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