ウマいものを腹いっぱい食べたい──。人間にとって、これほどシンプルかつ根源的な欲望が他にあるだろうか? そんな欲望を満たしてくれるのが、世に数多く存在するデカ盛り料理である。
未知なるデカ盛りグルメを求め、今回は住みたい街ランキングの常連としても知られる吉祥寺へ。そこで出会ったのは、「破壊王」なる超ヘビー級の丼だった!
・肉5倍、飯2倍! 相手に不足なし
吉祥寺駅から徒歩すぐの場所にある丼専門店、吉祥寺どんぶり。以前の記事で当サイトの佐藤記者が紹介したこともあるように、通常サイズでもかなりボリュームのあるガッツリ系のお店だ。
今回は、そんな同店において最強ランクのデカ盛りとされている「破壊王」に挑むことにした。破壊王とは丼の種類ではなく、各メニューに600円の追加料金を払うことで「肉5倍、飯2倍」になるという増量オプションのことだ。
そして破壊王と聞いて思い出すのは、やはりプロレスラーの故・橋本真也さんの姿である。あの橋本さんの強さを彷彿とさせるような、圧倒的なボリュームの丼なのだろうか?
・驚異のボリューム
筆者が注文したのは醤油にんにく味の豚丼(650円)+破壊王(600円)だ。爆盛りなので提供時間は少しかかるかと思ったが、意外にも提供はスピーディー。まだ心の準備ができていない筆者の前に、破壊王がその姿を現した……!
「意外に食えそうじゃん」と仰る読者の皆様に、筆者は伝えたい。多分それは目の錯覚だと──。
だってこれ、めちゃめちゃ重いですよ? 重さを測るために持参したキッチンスケール(2kgまで測定可能)が、まさかのエラー表示ですよ? いったい何キロあるんだよ!
ぶっちゃけ食べきれる気はしないものの、もはや後には引けまい。時刻は17時10分、ついに破壊王との戦いのゴングが鳴った!
・先制攻撃あるのみ
まずはお手並み拝見のロックアップ……とばかりに一口パクリ。
にんにく醤油味が染み込んだ豚肉と長ネギは、白飯との相性バッチリだ。過去の経験上、デカ盛り丼は白飯をいかに効率よく減らせるかが攻略の鍵。この「ご飯泥棒」ともいえる肉の味付けは、筆者にとって有利に働くだろう。
スタートダッシュは容易に決まった。開始20分ほどで6割程度を平らげる。イケる。破壊王から3カウントを奪える。勝利を確信した筆者だが、ここから破壊王の逆襲が始まった!
・ついに牙をむく破壊王
食べ始めてから30分弱、急激にスプーンを持つ手が重くなる。その理由は「米が汁を吸いすぎている」からだ。鰻丼でも牛丼でも、確かに汁の染みた米は美味しい。しかしそれは米の食感が立っている状態で、タレをまとっているのが美味しいのだ。
30分近くが経ち、汁を吸いすぎた白米は、提供当初と比べると明らかに食味が落ちている。そして果てしなく重い。これが破壊王の底力か……!
デカ盛り料理は一度苦しくなると、そこから先に進むのは容易ではない。店内はカウンター席のみだし、あまり長っ尻もよくないだろう。ここはギブアップして帰るのが賢明か……そう思ったとき、筆者の目にあるものが飛び込んできた!
吉祥寺どんぶりの店内には、なぜか有名人や漫画の登場人物が残した格言が貼りだされている。
努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る──。これは簡単にあきらめようとした筆者の現状を言い当てている言葉ではないのか? あきらめてはいけない!
・フィニッシュホールドは
格言に奮い立ち、最後の特攻をかけることに。驚異のボリュームを誇る破壊王に対し、筆者もフィニッシュホールドを残していた。
それは鉄板の味変アイテム、卵だ。最初に投入したかったが、苦しくなったときのために残していた……こいつを使うのは今しかない。ときはきた! それだけだ!!
決まり手はずばり、垂直落下式エッグ投入。卵のまろやかさを味方に付けて完食に成功した。要した時間は実に50分、想像を超える死闘であった!
吉祥寺に君臨する最強デカ盛り丼は、破壊王の名に恥じない衝撃のボリュームだった。これからも腹ペコ野郎たちに愛されるメニューであり続けることだろう。破壊王よ、永遠に──。
・今回紹介したお店の情報
店名 吉祥寺どんぶり
住所 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-1-3 三河屋ビル 1F
時間 11:00~翌2:00(LO / 1:00)
休日 無休
Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.
▼高さが無いので横から見ると大したことないように思えるが……
▼幅の広い器に米がビッシリ! 半端なボリュームじゃないぞ