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【レシピあり】北京で「猫耳」を食べてきた! “猫耳炒め” こと「炒猫耳朵(ちゃおまおあーるどぅお)」の正体 / 沢井メグのリアル中華:第17回

2019年10月23日


よく「中国人は飛ぶものは飛行機以外、四つ足は机と椅子以外何でも食べる」というフレーズを聞く。正確には広東人の食の貪欲さ例えた言い回しなのだが、中国料理への興味をそそるのにこれ以上の言葉はない。「こんなものも食べるの?」という驚きはまさしく異文化体験だ。

さて、以前、私(沢井)が北京に滞在したときのことだ。大学構内の食堂で「猫耳」なる食べものを見かけて驚いたことがある。猫耳って猫の耳ですか!? そんなものがカジュアルに売られていていいのかよ!? ということで、沢井メグのリアル中華:第17回、猫耳いきます。

・北京で出会った「猫耳炒め」

北京師範大で1カ月の短期留学をしたときのことだ。昼食を求めて学内をウロウロしていたところ、テイクアウト専門の学食のようなものを発見した。窓口で注文すると、その場で料理を作ってもらえ、それを持ち帰るというシステムだ。

メニュー表は天高く貼りだされており、指さしも不可能!必ず「○○ください」と店の人に言わないといけなかった。そこで当時、初級レベルの私が唯一読めたのが「炒猫耳朵」!! これが猫耳炒めとの出会いだ。何が入っているんだろう、ビビりながら注文してみると……

・猫耳の正体

オバちゃんに渡された猫耳炒めを見た瞬間「な~んだ、そういうことか!」。猫耳の正体は、パスタというかすいとんのようなもの。その形が猫の耳に似ていることから、「猫耳」と呼ばれるようになったのだという。

プリっと丸まった猫耳はまるでスコティッシュ・フォールドの垂れ耳のよう。つるんぐにゅっっとした食感が良く、シンプルな味付けでも満足感が損なわれることがない。ウマイッ!!

さて私は北京で猫耳と出会ったが、もともとは山西省の生まれだ。いつ誕生したのかハッキリとはわからないが、西暦540年前後に北魏の文人・賈思勰(か・しきょう)によって記された農書『斉民要術(せいみんようじゅつ)』にもそれらしきモノが登場。1500年近い歴史があるとされている。

基本の作り方は塩を混ぜた小麦粉を水で練り、猫耳風に成型するだけだ。1500年近くもその形変わらずというのはそれだけ美味しいということなのだろう。食べたくなってきた? では作ってみよう!

【材料】1人分

・小麦粉:100g
・塩:ひとつまみ
・お湯:大さじ4
・乾燥キクラゲ:5g
・豚肉:30g
・枝豆:30g
・ゴマ油:小さじ1
・醤油:小さじ1
・味覇など中華スープの素:小さじ1/2
・コショウ:少々

【作り方】

1.乾燥キクラゲ5gを水でもどす。枝豆はゆでておこう。

2.ボウルに小麦粉100gに塩ひとつまみを混ぜ入れ、中央部分に穴をあけておく。穴にお湯を入れて周囲の粉の壁を崩すように練り混ぜていく。手につかなくなったらひとまとめにして、ラップをして30分ほど寝かせる。


3.待っている間に豚肉50gと戻したキクラゲを食べやすい大きさに切っておく。

4.30分経ったら生地の成型だ! 生地を棒状にのばし親指くらいの大きさにカット。カットした塊をまな板などの平らな場所に置き親指の腹の部分を使ってのばし「猫耳型」にしていく。親指を生地の上にのせて、ズズっと引きずりながら指を垂直に立てていくとクルっと丸まってくれるぞ。



5.4の猫耳を沸騰したお湯にいれてゆでる。浮かんできたら取り出そう。

6.フライパンにゴマ油をしき、肉とキクラゲを炒める。火が通ったら猫耳と枝豆を入れ、醤油、味覇、コショウで味付けして完成。


──以上である!

今回は大学の学食Verの再現なので肉も少なめ、味つけも極めてシンプルだ。町の食堂などではキュウリやニンジン入りなど彩り豊かな「炒猫耳朵」も存在するので、いろんな具材を入れてみても面白いだろう。

ちなみに中国では、このショートパスタっぽい「猫耳朵」のほか、もうひとつ「猫耳朵」と呼ばれる食品が存在する。またの機会にご紹介したい。

参考リンク:中国非物質文化遺産網(中国語)
Report:沢井メグ
地図:白地図専門店
Photo:Rocketnews24.

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