ド近眼にとってメガネが命綱である。これがなければ、日常生活はたちどころに困難になり、外出できない可能性も否めない。そんなメガネっ子がメガネに感謝する日、それが今日10月1日「メガネの日」である。私(佐藤)もド近眼 + 乱視 + 老眼で、メガネもしくはコンタクトレンズがなければ何もできない。

メガネをかけていて当たり前の私が、もしもレンズなしのメガネをかけていたら。有給明けの上司、編集長のGO羽鳥は気づくだろうか? 検証してみた!

・ある日のミーティングで

この案は、定期的に行われる当編集部のミーティングで持ち上がったものだ。約2週間の有給が明けて出勤してくる羽鳥に、何かできないか? という話のなかで、レンズなしメガネの案が浮上。メガネの日に私が実行することとなった


さすがに矯正なしで世界に飛び出すのは、私にとってあまりにも危険すぎる。ということで、コンタクトレンズを着用した上で、ダテメガネを購入。


レンズを取り外して準備完了だ。


いざ、かけてみると……、これ速攻でわかるんじゃないの? どう見てもレンズないっしょ


・敵は身内にいる

さて、編集部に着き、なるべく平静を装って過ごす。幸い、我々の業務は8割パソコンに向かっているので、他のメンバーの動向は見えているようで見えていない。少なくとも私は羽鳥と背中合わせの席なので、顔を見合わせる頻度が少なかった。

しかし油断は禁物である。羽鳥抜きで話し合ったのに、そんなこと忘れてしまうような面々である。誰がいつ、


「あれ? メガネかえました? それレンズない?」


と言い出すかわからない。いつでも、「敵は身内にいる」と私は思っている。と、その時、P.K.サンジュンが普段のメガネと違うことに気付き、「あれ? パイセン(佐藤のこと)、メガ……」と口走った。とっさに作戦を思い出し、口を閉じる。


あぶねえ、あぶねえ。開始5分でゲームオーバーになるところだった。


・全然気づかない

その後は、誰も私のメガネに触れることなく時間が過ぎていく。みんな作戦を思い出したのか、それとも元より作戦のことなどアタマになく、私のメガネに微塵も関心がないのか不明だ。

たとえ、羽鳥の真後ろでメガネをかけたまま目薬をさしても気づかない。


羽鳥の後ろでメガネに指を通しても全然気づかない。


・ネタばらし

このまま行くと何事もなかったように帰って行ってしまうと思ったので、ここでネタばらし。


佐藤「羽鳥さん、何か気づかない?」

羽鳥「え? ナニ?」


佐藤「俺の変化に気付かない?」

羽鳥「髪型変わった?」

佐藤「変わってないよ」


羽鳥「ナニ? ナニ? 何なの?」


佐藤「正解は~、俺のメガネにレンズが入ってない! でした~ッ!!」


羽鳥「な~んだ……」


「な~んだ」じゃないだろ。気づかなかったクセに。もう少し驚いてくれないと、こっちもやり甲斐ってもんがねんだよ。しょうもない反応しやがって。そもそもこっちの仕掛けもしょうもないんだが……。


・その後……

この物語には、もう少し続きがある。


実は私の上司はもう1人いる。Yoshioだ。Yoshioはあの日、たしかに羽鳥不在のミーティングに出席していた。


出席していたにも関わらず、Yoshioはレンズなしメガネに気付いていない様子。そもそも人の話を聞くのが下手な男である。あの日のミーティング内容を覚えているはずがない。


という訳で、Yoshioにはヒミツにしたまま、今日1日を終えたいと思う。きっと彼が、この日の私のメガネにレンズがなかったことを、気づく日は来ないと思う。1年後くらいに、答え合わせをしてあげたいと思う次第だ。

では、皆さん。またどこかで会いましょう。サヨウナラ……。


Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24