「無理だ」「できっこないよ」と勝手に限界を決めてしまうと、成長はしないし新たな発見や発明につながることはない。そう、なにごとも失敗を恐れずにチャレンジ! である。
“なにが始まるんです?” って? リンゴの皮むき器『アップルピーラー』のポテンシャルを引き出すべく、他の果物の皮をむかせてみたのだ! 「あたし、リンゴしかむきませんから」みたいな商品名しちゃって、本当はもっとできる子なんだろ? 先生、知っているぞ~!
・アップルピーラーとは?
改めて説明すると『アップルピーラー』とは、ハンドルを廻すだけでリンゴの皮むきが簡単にできるピーラー(皮むき器)だ。私はネット通販サイトにて約1000円で購入したが、類似商品は他にも多くあり、安いものでは500円台で買えるようだ。
本体には小さな剣山があるので、
そこにリンゴをぶっ刺して……
ハンドルを廻すと……ざりざりざりざりざり~!
ズルむけである。気持ちイイー! チョー気持ちイイ! 金メダル級の快感だ!
リンゴの皮には多くの栄養が詰まっていることは重々承知だが、やはり皮をむいて食べた方が食感はいいと個人的に思う。「でも皮むきが面倒クサイな~」という時があるので購入を決めたが、皮むきが苦手な子どもや高齢者にとっても便利なアイテムかもしれない。
・梨もむけるぜ
で、改めてこの『アップルピーラー』の箱を見ると「リンゴや梨の皮むきが簡単にできます」とある。そう、『アップルピーラー(リンゴむき器)』と名乗っているくせに “梨もむけるよ~” と主張しているのだ。
さっそく梨にも試してみたところ……
ざりざりざりざりざり~!
はい、気持ちイイー! 梨も気持ちよくむけたヨー!
まあ、リンゴと形状が似ているので梨の皮もむけることにそこまで驚きはない。むしろ、他の果物の皮もむけたらかなり有能なのだが…… そこで、「オレンジ」「桃」「アップルマンゴー」の “ズルむけチャレンジ” をしてみた!
・オレンジ vs アップルピーラー
初戦の相手は「オレンジ」だ。リンゴや梨と比べると皮は厚く、サイズもひとまわり大きいが、果たして?
ググググ……。だめだ、ハンドルが全くが動かん!
それでも力任せに廻そうとすると、ハンドルから「ギャリギャリギャリ!」という悲鳴が聞こえてくる。やはり皮が厚く硬すぎるようだ。これ以上やると本体が破損する恐れがあるのでドクターストップ。『アップルピーラー』の敗北である。
・桃 vs アップルピーラー
続いての対戦相手は、果物界でも繊細な立ち位置にある「桃」ちゃん。リンゴや梨、オレンジと比べると皮はだいぶ薄い上に柔らかいので、失敗することはないだろう。
そり立った『アップルピーラー』の剣山で桃ちゃんの尻を刺すと、その柔らかい実から果汁がトロリと垂れてくる。これは余裕だな……! すでに “堕ちた” も同然! 意を決してハンドルに手をかける。
ところが、ぐっとハンドルを廻した、その瞬間──
「イヤン」と妖艶に身をくねらせて抵抗する桃ちゃん。
どうしたっていうんだい!?
めげずに、桃の向きを変えて違う角度から剣山を刺し、再びチャレンジするが──
「イヤったら!」
と、またもや『アップルピーラー』とのセッションを拒む桃ちゃん。
どうやら桃は実が柔らかすぎて無理なようだ。もしくはこの日はそういう気分じゃなかったのかもしれない。しつこい男は嫌われるので、3度目はトライせずに終了。またしても『アップルピーラー』の勝利はおあずけである。
・アップルマンゴー vs アップルピーラー
オレンジ、桃と連敗続きの『アップルピーラー』。それならば、アップルマンゴーならいけるだろう! 名前に「アップル」ってついているし。
合体! いざ、勝負!
ざりっ、ざりっ、ざりっ……!
おっ、おっ、おおお~!?
……ざりん! ……ざりん!
むけたのは半分ほど……う~む。これは引き分け──いや、これは “ズルむけ” ではない……。いさぎよく認めよう……完敗である。
・ダメでした
「だから “リンゴと梨しかむけない” って言うとりますやん……!」そんな『アップルピーラー』の嘆きが聞こえたような気がした。それもそうだ。私の思いつきで突然、異種格闘技のステージにあげられ、無様な負け試合を3回もさらすことになったのだから。対戦相手の果汁にまみれたその姿は、涙ながらにダメ監督の采配を責める不幸な選手のようだった。
確かに今回の敗因は私のムチャぶりにある。だが、私は試したかったのだ……『アップルピーラー』の可能性を! 試合には負けたが決してムダな挑戦ではなかったと思うし、むしろ大いに意義のある戦いで、しかも健闘したと思う。私は自分の『アップルピーラー』が非常に誇らしい! 『アップルピーラー』万歳! でも今回みたいなことはもう金輪際やめとこうな、『アップルピーラー』!
・使用した果物は美味しくいただきました
なんにせよ、『アップルピーラー』は本来の使い道である「リンゴ・梨の皮むき」にかけてはピカイチである。その “むき味” も格別に気持ちイイので、体感してみたい方や、リンゴの皮むきが億劫(おっくう)な人は1台、手元に置いてみてはいかがだろうか?
Report:ショーン
Photo:RocketNews24.