いよいよ待ちに待ったG1シリーズが開幕! 今週末の中山競馬場では、秋の短距離王決定戦・スプリンターズステークスが行われる。

昨年の春秋スプリントG1を制覇したファインニードルが引退し、今年の高松宮記念は3連単で449万馬券が飛び出す大波乱の決着。いまだ混沌(こんとん)とする短距離路線を制し、新時代のスプリント王となる馬は果たして?

・脚質にヒントあり

日曜中山のメインは、芝1200mで行われるスプリンターズステークス。例によって過去の傾向を調べていると、面白いデータを見つけた。2011年以降の1~3着馬の3コーナー通過順位を整理すると、下記のようになる。カッコ内が、各着順の馬が3コーナーを何番手で通過したかを示す数字だ。

2011年 1着(6番手)2着(2番手)3着(4番手)
2012年 1着(8番手)2着(5番手)3着(8番手)
2013年 1着(7番手)2着(1番手)3着(5番手)
2014年 1着(11番手)2着(9番手)3着(5番手) 
2015年 1着(8番手)2着(5番手)3着(13番手)
2016年 1着(9番手)2着(1番手)3着(2番手)
2017年 1着(11番手)2着(9番手)3着(1番手)
2018年 1着(6番手)2着(2番手)3着(3番手)

馬券になった24頭のうち半分の12頭が3コーナーを5番手以内で通過しており、先行馬が残りやすいレースであることが伺える。その一方で、1着馬に限ると全て6番手以降から差してきた馬。こういう傾向が8年連続で続いている(ただし2014年は新潟での開催)。

3着以内に残りやすいのは先行馬、1着に来る確率が高いのは差し馬ということだ。このデータをどう生かすかは、馬券の買い方次第。3連単をフォーメーションで買うという方は、参考にしてみても面白いのではないだろうか。

・偉大な父に続けるか

少し前置きが長くなったが、筆者の本命は②ダノンスマッシュ。おそらく上位人気になるだろう。

実績的に現在のスプリント界の中心にいる1頭であることは間違いない。高松宮記念では4着に敗れたものの、内を突いた馬に出し抜かれた格好。外枠の馬には厳しい展開のなか粘っての4着は、評価を下げるような走りではなかったはずだ。

6月の函館スプリントSを除外になるアクシデントはあったものの、ローテーション的な問題はなさそう。高松宮記念から5カ月レース間隔が空き、キーンランドカップ(1着)を叩いて中4週での本番。アクシデントを過度に意識する必要はないと思われる。

そして父はロードカナロア。3歳秋に京阪杯を制して重賞初勝利を挙げると、そこからシルクロードステークスと連勝。高松宮記念では一度跳ね返されるも、4歳秋のスプリンターズステークスでG1初勝利を飾った。②ダノンスマッシュもここまで父と同じようなキャリアを辿っており、後は今回G1を勝つのみだ。

馬単で勝負したいところだが、先ほど紹介した「1着には差し馬が来やすい」というデータもあるので(②ダノンスマッシュは先行馬)、今回は慎重に馬連で勝負。②ダノンスマッシュを軸にして、相手は⑥⑦⑧⑨⑫⑬。


開放的な雰囲気の夏競馬も楽しいが、やはりG1の緊張感は格別。ここから年末にかけて熱い熱い戦いが繰り広げられる。テレビの前で、競馬場のスタンドで、声を枯らしながら好きな馬を応援して楽しもう!

・【追記(結果)2019年9月30日11:25更新】

スプリンターズステークスの結果は、タワーオブロンドン → モズスーパーフレア → ダノンスマッシュと人気サイドの決着でした。

参考リンク:JRA公式サイト
予想・執筆:グレート室町
Photo:RocketNews24.