2019年9月6日より公開されている映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』が人気を博しており、話題となっているアニメ制作会社・京都アニメーション(通称・京アニ)。京アニが手がける作品は、人物はもちろん、背景にいたるまでとても丁寧に描かれているのが魅力の一つで、中には実在の場所をモデルに描かれている作品も多く、「聖地巡礼」ブームの火付け役ともなった。

筆者も京アニが制作した、京都・宇治が舞台のモデルとなっている吹奏楽アニメ『響け!ユーフォニアム』の「聖地巡礼」をしたことがある。しかし、「聖地」の1つであるパン屋さんを2度訪れ、2度とも臨時休業にぶち当たるという悲劇に見舞われていた。それが今夏、やっと念願叶って作中に登場するパンをいただくことができ、とても美味しかったのでご紹介したい!

・フィクションと現実が出会う味

アニメ『響け!ユーフォニアム』のファンにとっては巡礼先の定番ともいえる「聖地」の1つ「中路ベーカリー」は、京阪宇治線・黄檗(おうばく)駅のすぐ近くにあるパン屋さん。

その外観は『響け!ユーフォニアム』の第9話に、若干のアレンジが加えられているものの、ほぼそのままで描かれていた。眺めていると、辺りが作品の世界と繋がっているような、不思議な感覚になる。

創業60年超、地元の方をはじめとした多くの方から愛されてきた「中路ベーカリー」の入り口横には、『響け!ユーフォニアム』シリーズでメインキャラを演じた声優さんたち4人の真新しい直筆サイン入りポスターが飾られていた。サインだけでなく、「中路ベーカリー」のパンを食べた感想も添えられている。

店内に入ると、さっそく作中に登場するパン「フランクデニッシュ(183円)」が。『響け!ユーフォニアム』の中に、恋する乙女が失恋した後、好きだった男の子がよく食べていたパンを買い求め、お店の前で一気に食べる、という印象的なシーンがあるのだが、そのシーンに登場するパン屋さんとパンのモデルが、「中路ベーカリー」とこのフランクデニッシュなのだ。

フランクデニッシュが置かれているそばには、「中路ベーカリー」が取り上げられた雑誌とともに、『響け!ユーフォニアム』のファンから贈られたイラストやグッズなどが飾られていた。「中路ベーカリー」聖地化のきっかけとなった前述のシーンに登場するキャラクター・加藤葉月ちゃんとフランクデニッシュを描いた作品が多い。

中には、『響け!ユーフォニアム』のキャラクターたちのイラストとともに、「中路ベーカリー」の方やフランクデニッシュをはじめとしたパンたちを熱く紹介する作品も。『響け!ユーフォニアム』のファンから、作品を通して出会った「中路ベーカリー」とパンたちも愛されていることがひしひしと感じられる。

今までに2度「中路ベーカリー」を訪れ、2度とも臨時休業だったという何ともツイていない経験をしていた筆者も、ついにフランクデニッシュを購入することが出来た。やっと会えたねフランクデニッシュ〜! 

アニメの中で美味しそうに描かれていたけど、実物も美味しそう。焼き色はもちろん、照りが良い。中に入っているフランクフルトもしっかりとしている。

食べてみると……パン生地の表面がパリッパリで、ガッツリとバターが効いていて美味しい! パン生地だけでなく、中のフランクフルトも塩味が効いているが、程よくかけられたケチャップの酸味が全体の味をまろやかにしていて、しつこさを感じない

これは確かに、部活後の男子高校生のおやつにも良いし、女子高生でも一気に食べられる。ちょうどいいボリュームだ。

バターの心地良い香りを堪能しながら頬張り、大好きな作品に思いを馳せつつ思う存分味わった。作品を通じて美味しいパンに出会うことができ、パンを美味しく味わったことを通じて作品も、より特別になった気がした。


・フランクデニッシュ大人気

なお、筆者がフランクデニッシュを買いに行ったのは、平日の17時ごろ。8月中だったので学校帰りの学生さんはいないものの、ひっきりなしにお客さんが来ており、皆フランクデニッシュを求めていたのが印象的だった。聞こえてきた会話から、筆者がいたときに来店したお客さんたちは皆『響け!ユーフォニアム』ファンだったと言える。中には英語圏からのお客さんもいた。

多くの人から求められ、愛され続けるフランクデニッシュ。「アニメに出てきた」だけでは終わらない特別な存在だ。気になった方はぜひ、味わってみて欲しい。

・今回訪問した店舗の情報

店名 中路ベーカリー Facebookアカウント
住所 京都府宇治市五ケ庄西浦17
営業時間 6:30〜21:30
定休日 毎週火曜日と第2・第4日曜日

Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

▼夕食前にも関わらず、フランクデニッシュ以外も食べてしまった。美味しそうな見た目と匂いの前に、人は無力。

▼コルネの他、辻利一本店の抹茶を使った「宇治抹茶生クリームあんぱん」も絶品だった。お茶の苦味が良い。

▼「中路ベーカリー」の最寄駅、京阪宇治線の黄檗(おうばく)駅。

▼昨秋筆者が『響け!ユーフォニアム』の聖地巡礼に行ったときの写真、大吉山展望台。同じく巡礼で来た方の中に、ユーフォを担いで登ってきたという女性がいた。感想を伺ったところ「しんどすぎました……」とのこと。

▼明かりはふもとにしかなく、山中ではスマホの明かりだけが頼りだった。「聖地巡礼」して実感する、作品内描写のリアルさ。

▼大吉山展望台から見た夜景。アニメで描かれていたのともまた違う、特別な風景を見ることが出来た。

▼『響け!ユーフォニアム』シリーズの原画。人物や楽器がとても丁寧に描写されていることが分かる。

▼線の丁寧さもさることながら、表情にもご注目。