どんどん喫煙者の肩身が狭くなっている日本。喫煙所や喫煙室は次々と姿を消し、もはや外ではほぼ吸えない状況だ。もちろん、歩きタバコ、ポイ捨てなどはもってのほか。マナーの悪い1人から、ネットが「喫煙者は全員死すべし」の大合唱となることもある

なんでも、ヨーロッパはもっと禁煙化が進んでいるらしい。日本は禁煙後進国とまで言われているのだとか。でも、本当にそうか? 私(中澤)が実際イギリスで見た光景は全然違ったんだけど

・どこが禁煙先進国?

紳士の国と言われるイギリス。ただでさえマナーにうるさいイメージがあるが、さらにこの禁煙化の波だ。もはやタバコ吸ってる人なんていないんじゃないだろうか? 飛行機の中で私はそんなことを考えていた。しかし、現地に着いてみると……

超吸ってる人いるゥゥゥウウウ


ロンドンのターミナル駅であるパディントン駅では、喫煙エリアのある駅出口から大道りに出るまでの坂に喫煙者がズラーッと列を作ってスパスパやっている。街を歩けばタバコを吸っている人に当たるレベル。

・現在の日本からは想像を絶する光景

さらに驚いたのは喫煙マナー。歩きタバコやポイ捨てがとにかく多い。そのため、街中にも駅中であってもタバコの吸い殻がそこら中に落ちている。あ、ありえない……。

ひょっとして、喫煙のルールとかないんだろうか? そこで調べてみたところ、イギリスでは12年前に公共施設の屋内を全面禁煙とする「禁煙法」が施行されているようだ。レストランやカフェはもちろん、パブやバーも含まれており、建物内では基本的にタバコを吸うことはできない。

・来年日本でも

日本より禁煙化が進んでいると言われる由縁はここにあると思われるが、その実態は現在の日本以上に荒れているように感じた。実は、この禁煙法と同様の「受動喫煙対策」が2020年4月1日に日本でも施行される。東京オリンピックの開催に合わせて全面施行となるようだ。

しかも、空港でも店でも街中でも屋外には普通に灰皿が設置されているイギリスに対し、日本の場合、屋外の喫煙エリアも次々と消えている。東京オリンピックでは、屋外の分煙になれたヨーロッパの人も多く来日するだろう。1年後に街がゴミ箱と化すのではないか?

もちろん、歩きタバコやポイ捨ては喫煙者のマナーに問題があると言わざるを得ない。マナー違反を余裕でするような喫煙者はいなくなってほしい。

しかし、「喫煙者は全員死すべし」で屋外の喫煙エリアまでなくし、マナーを守っている喫煙者まで締め出していくのは、それを誘発するのではないか。

非喫煙者の方に分かりやすく説明すると、日本は「街にゴミ箱が少ない」のと同じ状態にしようとしている。このままだと10年後日本がイギリスの二の舞になる可能性もなくはないだろう。

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.