言うまでもなく、焼きそばパンといえばコッペパンに焼きそばを挟んだアレ。ご存知の通り、決して上品な味ではない。もっと言うならば、雑なパンだ。コッペパンの間に焼きそばが挟まった状態は見るからに雑であり、「コッペパンに焼きそば詰めとこう」という発想も、よく考えれば雑である。

しかしながら、その “雑さ” こそが焼きそばパンの魅力。はみ出すほどパンパンに詰まった焼きそばに食欲を掻き立てられるのは、私だけではあるまい。そう、焼きそばパンは上品じゃないから良いのだ。あの雑な姿、あの雑な味であってこそ焼きそばパン。長年、そう信じていたのだが……



めっちゃ上品なヤツがおりました


何この形状? ルービックキューブ? 焼きそばパンって……コッペパンに焼きそばドーンじゃないの? この四角いのが焼きそばパンだなんて……カレーパンマンのボディに食パンマンの顔が付いているような違和感。そういえば、キーマカレーパンも四角いで。


と気になったので、買ってみた。なお、私がそれを見つけたのは、アンパンで有名な木村屋總本店。伊勢丹新宿に入っている店舗で、価格は焼きそばパンが税込270円、キュービックキーマカレーは税込251円だ。


さて、事務所に持ち帰り、焼きそばパンを出してみる。


一辺5〜6cm程度とサイズ自体はそれほど大きくないが、不思議な存在感があるのはなぜだろうか。よくわからないので、パンを切ってみたところ……


デニッシュ生地の間に焼きそばが詰まっている。……なんだ、この違和感は。焼きそばパンの焼きそばといえば、硬いベッド(安めのコッペパン)にギュウギュウ状態で寝ているものかと思っていた。それが、いつの間にかフワフワのベッド(デニッシュ生地)で寝るようになったとは。 

とか思いながら食べてみたら……それは私の知っている焼きそばパンよりも数段上品だった。デニッシュ生地とソース、さらに少しだけ入ったマヨネーズが見事に調和している。

焼きそばのソースでゴリゴリに押してくるのではなく、全体のバランスで勝負している焼きそばパン。なんというか、全然、雑じゃない! だからこんなの焼きそばパンじゃない……と思いきや、これはこれで悪くない。むしろ、味的には昔食べた焼きそばパンよりはるかに美味い。


・他のパン屋さんでも!

なお調べてみたところ、キュービック状の焼きそばを販売しているのは木村屋總本店だけではない。似たような形状の焼きそばパンを最近販売し始めたパン屋さんは、他にもあるようだ。

それにしても、なぜ焼きそばパンがこの形状になっているのだろう。インスタ映え狙い? もしくは、今の流行りの形状がコレとか? それとも新たなチャレンジ? 店によって理由は異なるだろうからはっきりとは分からないけれど、高級食パンブームの影響だったらちょっと楽しいのになぁ。

参考リンク:木村屋總本店「菓子・惣菜パン
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼今年の8月から販売が始まったそうだ

▼なお、こちらがキーマカレーパン(税込251円)。

▼キーマカレーぎっしり!