日本における電気加熱式たばこの市場は、相変わらず「アイコス」(フィリップ・モリス・ジャパン)が優勢で、JTが「プルームテック」で猛追している格好だ。JTに先駆けて参入した「グロー」(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン)も善戦しているものの、ここのところビックニュースはなく、ネオスティックの品ぞろえを拡充するにとどまっていた。

そんななか、グローが2019年8月19日に、これまでにないモデルを発売する。それは、初のリキッドを使用した低加熱式となる「グロー センス」だ。メディア向けにサンプルが提供されたので、ひと足先にその吸いごたえを確かめてみたぞ。

・低加熱式で巻き返しを狙う

グローはこれまで連続喫煙可能であること。そしてネオスティックの種類が豊富であることが強みだった。しかし、アイコスが連続喫煙可能な「アイコス3マルチ」を。プルームテックが「プルームS」を発売開始すると、いくぶん市場での存在感が薄くなり始めてしまった。

なんとかこの辺で巻き返しを図りたいところで、今回のグロー センスの発売に至ったと思われる。さて、提供されたサンプルでその味を確かめたいと思ったのだが……。サンプルの箱がデカすぎて、どこから手を付けたら良いのか……。



カバー(シェル)も色とりどり。とにかくカスタマイズのバリエーションは豊富だ。


このサンプルには、シェルの他に本体と付属品。さらに専用のたばこ製品が6種もついている。たばこ製品については後ほど詳しくお伝えしよう。


・カートリッジとポッド

同梱品は「本体」、ゴールドの「シェル」。吸い口を清潔に保つ「デバイスキャップ」、「USB充電ケーブル」、「デバイスポーチ」、「ACアダプター」。そのほかユーザーガイドなどである。


本体は3つのパーツで構成されている。電力を供給するデバイス部分と、フレーバー・カートリッジ(ダミー)、たばこ・ポッド(ダミー)だ。ダミー部分は、店頭で販売される専用たばこ製品を購入することで、正規品を使用することができる。


先にお伝えしたたばこ製品だが、1箱490円で販売される。このたばこ製品には、フレーバー・カートリッジが1つと、たばこ・ポッドが3つ入っている。


フレーバー・カートリッジにリキッドが入っており、これを加熱することで蒸気を発生させ、たばこ・ポッドに詰め込まれたたばこ葉を燻すことで喫煙できる仕組みだ。プルームテックと仕組みは同じである。なお、このカートリッジはおよそ180回の喫煙が可能。ポッドは味がしなくなったら、取り換えることとなる。


・実際に吸ってみると

喫煙する際には、カートリッジにポッドを装着。


それをさらにデバイスに装着して、喫煙の準備完了。中央のボタンを3回連続で押し、5秒間白く点灯したことを確認したら、ボタンを押しながら吸う。


ようやく準備が整ったところで、実際に吸ってみると……。


煙の出は申し分ないのだが、プルームテックプラスよりも喫味がやや弱い印象を受ける。


味もやはりプルームテックプラスより、少し物足りない。評価できる点は、煙の量の割に、匂いが少ないことだ。呼気からたばこ臭さは一切感じられない。

もうひとつ注目したいのは、本体価格が3980円であるということ。プルームプラスが4980円であるのに対して1000円も安い。低加熱のモデルとしては後発だが、低価格で新しい客層を獲得する狙いなのかもしれない。はたして、このグロー センスで市場での地位を高めることができるのか? 今後が気になるところだ。

参照元:グロー
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24