皆さんも一度は目にしたことがあるはずである。年中閉店セールをしているお店。“お店” と言うのがふさわしいのかわからないが、ダミ声の販売員が「今までの感謝を込めて、今だけ1000円~! 並んでいる商品、全部1000円で~す!!」と叫んでいるお店である。
「どうせ大したものは売ってないでしょ?」とは思うのだが、買ってみないとわからない。ということで、腕時計を1つ買ってみた!
・おそらくターゲットは観光客
閉店セールのお店は、たいてい人通りの多い観光名所にある。東京なら原宿とか上野とか。秋葉原で見かけたりしたこともある。
普段からその界隈を利用している人はよく分かってる。毎日閉店セールを行っているから「いつ閉店すんだよ」と思いながら、ショーケースの前を素通りしていくのだ。
閉店セールのお店のターゲットは、おそらく、そこに年1回も訪れることがない観光客だ。人によっては、もう2度とそこに来ないかもしれない。
私(佐藤)が最近、閉店セールの店に遭遇したのは、アメ横商店街。ここは年中お祭りのような賑わいで人通りも多く、国内外を問わず、多くの観光客が足を運ぶ買い物スポットだ。
・アメ横で今だけ1000円!
以前から閉店セールのお店があることは知っていた。常時2軒程度のお店が、「今日で最後!」とか「今だけ特別価格!」とか言って、観光客の関心をひいている。
ちょっと買い物してみようと思ったのは、そのうちの1店舗。ショーケースには腕時計やアクセサリーを陳列しており、アジア人と思われる若者2人組が、熱心に商品を眺めている。そんな彼らに向かって販売員は「ワンサウザント! ワンサウザント!」としきりに訴えているが、どうやら彼の真意は若者2人に伝わっていないようだ。
ところで、1000円と言うが、いくらのものを割引と称して売っているのか? 腕時計のところにある貼り紙を見ると、『7800円~12800円の品』とある。
そんな訳がない! いくら閉店でも、最後の売り時なら、そんな値引くはずがない!
…………とは思ったが……買ってみよう。何事も決めつけは良くないもの、うん。
ということで、私なりにカッコイイと思う腕時計を買ってみた。それがコレ!
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フランス国旗の柄のドクロの時計! やべぇええええええええええ! めっちゃカッコいい!!
ええやん! イカついやん!! けっこう夏を感じるやん!
これをつけて街を歩いても、誰も1000円の時計とは気づくまい。どれだけ安く見積もられたとしても、さすがに「それ1000円でしょ!」とは言ってこないだろう。安く見られても5000円は下らないはずだ。
・ネットで価格を調べてみる
1000円にしては品がいい。かといって、これが1万2800円もするとはちょっと思えない。一体いくらで販売されている代物なんだ? 気になったのでネットで調べてみることにした。幸いなことに、時計の裏面には、メーカーの名前と型番が刻まれている。
「J-STAR」というメーカーのドクロデザインの腕時計を調べた結果、楽天とアマゾンでそれぞれ商品を発見することができた。まず楽天での販売価格は、税込1500円!
一方アマゾンでは、2980円で販売していた!
やったぜ、ネット通販よりも安い金額で購入することに成功した! ヒャッホー!!
……いや、ちょっと待てよ。冷静になって考えてみると、そもそもこの時計、そこまで欲しかった訳じゃない。さらによく考えると、1500~3000円くらいの価値の時計を、1000円で買っただけだ。それって……あんまり「得した!」とは言えないような気がしてきた……。
という訳で、私のように勢い任せに購入するのではなく、次回同じ場所を訪れて、冷静に「やっぱり欲しい!」となったものだけを買ったほうが良いかもしれない。大丈夫、閉店セールは、ずーっとやっているのだから。