京都の美味しいラーメン屋を食べ歩く「京都ラーメン巡り」。今回は京都市北区にある創業25年の老舗店「タンポポ」をご紹介しよう。
唐辛子がこれでもかと振りかけられたインパクト抜群の醤油ラーメン。そして店内には「ほか弁持ち込み歓迎」と謎の掲出が。飲食店なのに弁当持込OKって、いったいどういうこと? 謎に包まれた名店の魅力に迫る!
・恐妻弁でもOK?
お店は京都市北区の紫野と呼ばれるエリアにあり、近くには佛教大学のキャンパスがあることで、平日は学生客の姿も多い。夕方5時すぎにお店に到着した。
見るからに年季の入った外観。「昔ながらのラーメン屋」という表現がピッタリの雰囲気だ。
店内はカウンターと小上がり席。これまたレトロな雰囲気が漂っている。そして……。
あった……! 冒頭でも触れた、弁当持込OKとの掲出。「ほか弁・愛妻弁持ち込み歓迎(恐妻弁でもOKよ)」と書かれている。恐妻弁でもOKらしい。
そもそも飲食店に食べ物を持ち込むことなど、基本的にご法度のはずである。ガムや飴くらいなら怒られないかもしれないが、弁当など持ち込んだ日にはソッコーでキレられても仕方がない。それがOKとは……。
こちらの真相は後ほど伺うとして、まずは肝心のラーメンをいただくことにしよう。
・辛い、だけじゃない!
なんといっても目を引くのが、鉢一面に振りかけられた一味唐辛子。とても辛そうだが……。
確かに辛いが、辛いだけではない。一味唐辛子特有の風味というか、良い意味での苦味が鶏ガラ&豚骨ベースの醤油スープに溶け出し、奥深い味わいを醸し出している。麺は少し柔らかめだったので、固めが好きな人はメンカタを頼むといいかもしれない。
トッピングはたっぷりのネギと、チャーシュー、メンマ。特筆すべきは味がよく染みこんだチャーシュー。脂身部分がトロトロになるまで煮込まれている一方で、赤身部分には噛み応えも残してある。このチャーシュー、ご飯にも合うだろうなあ……。
はい。合います。サイドメニューのミニチャーシュー丼は、表面に醤油タレを塗られたチャーシューとゴマの風味で、ご飯が進むこと。箸を持つ手が止まらねえぇぇぇ! ラーメンとミニチャーシュー丼のセットで、お値段は950円となっている。
・車内で弁当を食べる人を見て……
お腹もふくれたところで、そろそろ「弁当持込OK」の謎に切り込むとしよう。お店を切り盛りするお母さんに、話を伺うことができた。
──ズバリ聞きますが、どのような理由で?
「特に深い理由はないんですけどね(笑)。ほか弁屋さん(かまどや)が隣にオープンしたときに、車の中で弁当を食べている人がいるのを見て『食べる場所がないならウチの店でラーメンと一緒に食べればいいのに』と思ったのがキッカケなんですよ」
──なるほど。……って心広い! 実際にお弁当を持ってくるお客さんって結構いるんですか?
「たまにいらっしゃいますよ。ほか弁に限らず、手作りの弁当とか、おにぎりを持ってきてラーメンと一緒に食べていらっしゃるお客さんが」
ということで、想像以上にシンプルかつ豪快な理由であった。それもお客さんのことを思うからこそ。絶品ラーメンとチャーシュー丼、そしてお店の心意気にお腹いっぱいになりました。
日本広しといえども、ほか弁とラーメンを一緒に食べられる場所というのは少ないだろう。今度はからあげ弁当を買っていって、ラーメンと合わせてセルフからあげ定食、なんて食べ方をしてみようかな。
・今回紹介したお店の情報
店名 タンポポ
住所 京都市北区紫野西蓮台野町57 UKハイム 1F
時間 月~土 11:30~23:00(LO / 22:45)、日 11:30~15:00(LO / 14:45)、17:00~21:00(LO / 20:45)
休日 ほぼ不定休(元旦は休み)
Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.
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▼真っ赤なスープが特徴的。辛いのが苦手な人は、唐辛子抜きもできるぞ
▼チャーシューと白飯の相性が抜群
▼弁当を持ち込む場合でも、ラーメンは必ず注文するようにしてね