長年過小評価されている食べ物の1つに「そうめん」がある。誰もが子どもの頃から食べているにも関わらず、ラーメン・うどん・そば・パスタなどとは明らかに扱いが異なり、チェーン展開されている訳でもなく、専門店もごくわずか。

近年はソーメン研究家のソーメン二郎氏の地道な活動の甲斐あって、着実にブーム到来の予感がしてる。もしかして、今年ブレイクするか!?

そこで紹介したいのが、2018年1月に東京・恵比寿にオープンしたそうめん専門店「そそそ」である。ここのメニューは従来のそうめんのイメージを根本から覆す、進化系そうめんだ!!

・そうめん店を感じさせない外観

お店は、恵比寿駅の西口を出て徒歩約5分のところにある。恵比寿といえば、オシャレな街というイメージがあり、コジャレタ飲食店も数多く軒を連ねている。そんな街にあってこのお店は、そうめん専門店を感じさせないシックな雰囲気。


看板の横向きの「そそそ」の文字がとても印象的である。メニューを見ると、豊富なそうめんメニューがズラリ。スタンダードなつけそうめんはもちろん、あたたかいそうめん(にゅうめん)。明太クリームそうめんや大葉ジェノベーゼそうめんなどなど、実にバラエティ豊かだ。


・メレンゲとそうめん

それら個性的な品々のなかでも、もっとも視覚インパクトが高かったのが、「ふわふわ釜玉そうめん」(650円)である。メニューの写真を見て、「これがそうめん!?」と衝撃を受けた。いまだかつて、これほどまでにオシャレな見た目のそうめんがあっただろうか? いや、ない! インスタ映えするそうめんがコレだ!!




ついにそうめんが、たまごの白身を泡立てたメレンゲと共演する日がきた……。なぜいままで、このような美しいそうめんの一品がなかったのだろうか。それはひとえに、そうめんが軽んじられ、そうめんの本当の美味しい食べ方を多くの人が知らなかったからにほかならない。これをそうめんの進化と言わずにはいらないのである。



・絶対に写真を撮る

別添えのだし醤油をかけて頂く。美しいメレンゲを崩してしまうのはちょっと気がひけるが、崩さないことには食べることができない。黄身を割ると、白と黄色のコントラストがとても美しい。これ、絶対写真撮るでしょ!


お店で使用しているそうめんは、瀬戸内海・小豆島の手延べそうめん「島の光」とのこと。だし醤油は、同じく小豆島の金両醤油を使っているそうだ。


メレンゲは一般的に、放っておくとしぼんでいくものである。見た目よりも水分が多く、麺と絡めるのは難しい。ふわふわでなおかつ細麺に絡みやすいように、研究を重ねたそうだ。箸で麺をつかむと、たしかにメレンゲをまとっている。一口すすると、ふわりとしたたまごの食感と、麺のもっちりとした歯ごたえが相まって実に美味しい。


いままで数えきれないほど、そうめんを食べてきたはずなのに、今まで食べてきた、どれとも違うそうめんがここにある。知らなかった。そうめんにはまだまだ料理としての可能性があり、それが少しずつでも着実に進化していることを。近年の静かなブームを知らず、「そうめんでしょ?」とお思いの方、ぜひ一度たしかめてみて欲しい。進化系そうめんのその味を。


・今回紹介した店舗の情報

店名 そそそ
住所 東京都渋谷区恵比寿西1-4-1
営業時間 11:30~15:00、17:00~00:00 金土祝前11:30~15:00、17:00~翌4:00
定休日 不定休

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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