デスクワーカーにとって肩コリは大敵だ。机に向かって仕事をしている以上、避けることのできない肉体疲労のひとつであり、ひどい場合には頭痛を引き起こす原因にもなる。
それを和らげるために、前回は壁を使った簡単ストレッチについてお伝えした。今回は5秒 × 5セットの簡単ストレッチを3種紹介しよう。短時間でできるので、ぜひとも実践して欲しい。
・腕と肩甲骨のストレッチ
今回もストレッチをお教え頂いたのは、東京・市ヶ谷のオレンジ治療院の院長、高橋麻衣子先生だ。デスクワークで肩コリになる理由については、前回お伝えした。パソコンを使用する際に、机に腕をついて画面をのぞき込む姿勢が原因のひとつである。
首・肩にかかる負担を和らげるために、前回は壁を使って胸を開くストレッチを紹介したが、今回は硬くなりがちな上腕の筋肉と、肩甲骨を開くストレッチをお伝えしたい。
・5秒 × 5セット
長時間机に向かってパソコン作業をしていると、腕で上体を支えることになるため、上腕の筋肉が硬くなりやすい。とくに腕の前側にばかり力んで、後ろ側は緩みっぱなしである。
また、肩甲骨を開いた状態で日々数時間作業しているので、胸が閉じて自然と頭も前に出る。その頭の重さを支えるために、首・肩が踏ん張って筋肉がコリ固まってしまう。
まずは上腕の後ろ側の筋肉を動かすことで力のバランスをとり、肩甲骨を寄せる動きで胸を開くようにしたいと思う。
その1. 腕のストレッチ
最初に腕の5秒 × 5セットストレッチから。
肘を90度に曲げた状態で、開いた手のひらを外側に向け、そのまま肘を逆にそらすように完全に伸ばし切る。上腕の裏側の筋肉がギュッと引き締まるのを感じるはずだ。これを5秒で1回、5セット行う。左右それぞれの腕で行う。
その2. 肩甲骨のストレッチ1
次に肩甲骨のストレッチの1番目。
手のひらを上に向けた状態で脇を締めて、腕を左右それぞれの方向に開く。胸を開き、肩甲骨をしっかりと引き寄せるように行う。これも5秒1回を5セット。
肩甲骨をギュッと寄せるように意識しよう。
その3. 肩甲骨のストレッチ2
最後に肩甲骨のストレッチの2番目。
腕を肩の高さまで上げて肘を90度に曲げる。そして脇を開いた状態で手のひらは真後ろに向ける。この状態でやはり5秒1回を5セット行う。
これも先のストレッチと同じく、しっかりと肩甲骨を寄せるように心がけよう。
肩甲骨まわりの筋肉を動かすことで、胸が開きやすくなるはずである。
ゆっくりストレッチをやる時間がないし、人目が気になってできないという人は、トイレに行った時でも良いので、5秒 × 5セット。3種全部やっても1分40秒だ。内容は難しくないはずなので、「トイレに行ったらストレッチ」を習慣づけると良いだろう。