突然だが、あなたはやよい軒ですぐに注文を決められるだろうか? ラインナップが全てウマイやよい軒。それだけに私(中澤)は、いつも食券機の前で迷ってしまう。サバもウマイよなあ……でも、チキン南蛮もとんかつも捨てがたい。あー! 誰かメニューを決めてくれ!!

そこで、毎回の選択の参考にすべく、やよい軒のプロに「1番ウマイメニュー」を聞いてみた。分からないことはその道のプロに聞くのが1番である。ところが、プロの口から飛び出したのは意外なメニューだった! え、そんなのあったの!?

・自称「やよい軒のプロ」

話を伺ったのは、自称「やよい軒のプロ」こと、各地のやよい軒を食べ歩くのが趣味の仮名・増田弥生(ますたやよい)さん。話を聞くやいなや、「OK! じゃあオイラについてきな!!」と増田さんは部屋を出ていった。向かう先はもちろんやよい軒である。

増田弥生「今日の気分はこいつだ!」

──そう言って増田さんが注文したのは、味噌かつ煮定食。うーん、確かにウマイけど1番ですかね

増田弥生「ちょちょちょッちょッちょちょい待ちー! はやとちりはやとちりー!! 何をファッキン勘違いしてんのよ中澤ちゃん。頼むよ。1番ウマイメニューはこれからだろ?」

──知らんがな。あと、今さりげなくディスったよね?

増田弥生「オイラが1番ウマイと思うメニューはこれだァァァアアア!」

・プロが思う1番ウマイメニュー

──言うが早いか、増田さんはメニューの一番端の項目をタッチした。そこにある項目とは……そう、小鉢・アルコールである! そして増田さんが注文したのは……


玉子焼き(税込180円)

──え、そんなのあったの!?

増田弥生「やよい軒で玉子焼きを食べないなんてハッキリ言って “潜り” だぜ?」

──う~ん、なんか定食屋の玉子焼きって苦手なんですよね。カチカチで甘い味が多いことないですか? 甘い玉子焼き苦手なんですよ

増田弥生「おいおいどこまで潜るんだ中澤ちゃーん! 水圧でペチャンコになりたいのかい? ガタガタ言わずに食いやがれ!!」

──食べてみたところ、ふわっと柔らかい。でも、味は甘めだ。とは言え、砂糖の単調な甘みではなく、どちらかと言うとコクを感じる甘さが口に広がる。ウマイ……かもしれない。

増田弥生「どうよ! 甘さの質が違うだろ? 実はオイラも甘い玉子焼きは苦手なんだけど、やよい軒の玉子焼きだけは別格だと思うんだ。で、オイラはこの玉子焼きをこうやって食べる!」

──醤油をぶっかける増田さん。

増田弥生「この和風のコク深い甘さが醤油と相性抜群なんだよ。さ、食べてみな!」

──食べてみると、確かに醤油が混じることにより甘さが薄れ、コク深さが残りキリッとした味がする

増田弥生「ウマイだろ? 例えば、味噌かつ煮とか塩サバ定食は、味だけで言えばもっとウマイところはあると思う。だけど、玉子焼きは、これ以上にウマイ店をオイラは知らない。オンリーワンでナンバーワンなんだ。オイラが玉子焼きをすすめる理由さ。そして、この玉子焼きは3度楽しめる」

──そう言うと、増田さんはピアノでも弾くかのように優雅な仕草で玉子焼きにつけ添えのマヨネーズを乗せた。

増田弥生「やよい軒のマヨネーズが、ピリッとする特別仕様なのは昔言ったけど、このピリマヨがまた玉子焼きに合うんだよね。こいつがやよい軒の玉子焼きの最終形態さ」

──食べると、豊潤なまろやかさと卵の風味が口の中に広がった。確かに他の店にない唯一無二の味である。これは……ウマイ


・見落としがちなメニュー

甘い玉子焼きが苦手な私でも美味しく食べることができた。やよい軒の玉子焼きがこんなにウマかったなんて。小鉢だったから完全にスルーしてた。

当初の目的であるメニュー選びの参考にはならなかったが、それ以上に有意義だったと言えるかもしれない。メニューに迷っているあなたも、やよい軒に行った際はとりあえず玉子焼きを食べてみてくれ。

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.