今週の日曜日は競馬の祭典、日本ダービーが開催される。全てのホースマンたちが目標とするレースであり、競走馬たちにとっては一生に一度の晴れ舞台であるダービー。馬券を買うファンからしても、いつも以上に気合が入るというものだ。
皐月賞馬・サートゥルナーリアの1強ムードも漂うが、競馬に絶対はない。ここは人気に惑わされず、冷静にデータを分析しながら勝ち馬を探していこうではないか。いざ、予想の旅路へ!
・今年は流れるか
競馬は展開がものをいうスポーツ。それを読むのが難しいのだが……。今年のダービーはどんなラップを刻むのだろうか。
過去3年はスローペースになっているダービーだが、今年は流れると思われる。おそらく逃げるのは、近走で逃げ切り勝ちを収めている⑮リオンリオン。この馬が外枠から切れ込んでハナを主張し、最内枠の①ロジャーバローズや②ヴィントらが譲らなければ、先頭争いが熾烈になる。
⑮リオンリオンに騎乗するのは、若い横山武史騎手。「行かなきゃ」という思いは強いだろう。強引にハナを主張し、その後も速いペースを刻むとみる。
近10年のダービーを振り返ると、前半6ハロンが後半6ハロンよりも1秒以上早く流れてハイペースとなったのは、2009年、2012年、2014年の3回。この3回で馬券になった9頭は、いずれも3コーナーを7番手以内で通過している。
つまり消耗戦になった場合、ペースが速いとはいえ「ある程度は前にいないと勝負にならない」ということだ。ただし、逃げる馬は危険。ハイペースとなった上記の3回で、逃げた馬はいずれも大きく沈んでいる(2009年ジョーカプチーノ18着、2012年ゼロス16着、2014年エキマエ故障発生により競争中止)。
よって展開が向くと思われるのは、「先行力がありながら、控える余裕のある馬(ハナ争いに参加しない馬)」だ。今年の該当馬は④サトノルークス、⑥サートゥルナーリア、⑦ダノンキングリー、⑬ヴェロックス、⑭ランフォザローゼス、⑰ナイママあたりか。
・押さえるべきはディープ、キンカメ、ハーツクライ
3歳戦ということで、やはり血統も気になる。好走が目立つのは、ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、ハーツクライ産駒。
近5年で馬券になった15頭のうち、実に11頭がこれらの産駒である(ディープインパクト6頭、キングカメハメハ3頭、ハーツクライ2頭)。いずれの種牡馬も現役時代はG1を勝ってターフを沸かせた馬。競馬はブラッドスポーツであると改めて知らされる。
そして今年のダービーは、ディープインパクト産駒が4頭、キングカメハメハ産駒は3頭、ハーツクライ産駒は1頭が出走する。数が多いだけに、もう少し絞りたい。
母親や兄弟姉妹の実績も踏まえたうえで筆者が注目するのは、④サトノルークス(全姉にローズステークス勝利のタッチングスピーチ)、⑧メイショウテンゲン(母は日経新春杯など勝利のメイショウベルーガ)、⑪レッドジェニアル(母はフローラステークス勝利のレッドアゲート)、⑭ランフォザローゼス(父キングカメハメハ、母父ディープインパクト)だ。
・左回り巧者の馬は
この時期の3歳馬にとっては過酷な2400mという距離だが、基本的にどの馬もこなせると考えていいだろう。皐月賞組で距離に不安のある馬はNHKマイルカップに進むだろうし、それ以外の馬も2000m以上のトライアルを経由している馬が多い。
それよりも気にするべきは左回りコースへの適性。左回りでの好走実績が目立つのは、③エメラルファイト(1 , 0 , 1 , 0)、⑦ダノンキングリー(2 , 0 , 0 , 0)、⑭ランフォザローゼス(1 , 1 , 0 , 0)、⑮リオンリオン(2 , 0 , 0 , 0)。
・実績のある騎手が手堅く上位に
また、ダービーは騎手の存在も大きい。今年騎乗する騎手のうち、近10年のダービーで2回以上馬券に絡んでいるのはデムーロ騎手、武騎手、福永騎手の3名。ベテランの騎手が手堅く上位に来ているという感じだ。これに今年絶好調の川田騎手、関東圏では無類の強さを発揮する戸崎騎手を押さえておけばいいだろう。
よって鞍上に注目すべきは⑦ダノンキングリー(戸崎騎手)、⑧メイショウテンゲン(武騎手)、⑫アドマイヤジャスタ(デムーロ騎手)、⑬ヴェロックス(川田騎手)、⑭ランフォザローゼス(福永騎手)。
短期免許で勝ちまくっているレーン騎手も怖いが……。
・本命はランフォザローゼス
それぞれの観点から筆者が注目している馬を改めて整理すると、下記のとおり。
展開 ⇒ ④⑥⑦⑬⑭⑰
血統 ⇒ ④⑧⑪⑭
左回り ⇒ ③⑦⑭⑮
騎手 ⇒ ⑦⑧⑫⑬⑭
本命は⑭ランフォザローゼス。ここまで検討してきた4つの好走ポイント全てに当てはまる。派手さはないものの、新馬、500万下、G3、G2とレースランクが上がっても連対し続けている安定感は頼もしい。連軸には最適といえよう。
この馬を軸に、馬連で流す。近走の成績も加味して、相手に選ぶのは①④⑥⑦⑧⑪⑫⑬。
①ロジャーバローズについては最内枠ということを考慮して一応押さえた。ハナを主張する馬は潰れると書いたが、控える可能性もあるし、何より1枠1番は過去10年で3勝、2着2回のラッキーナンバー。買っておいて損はないだろう。
今年ダービー馬の栄誉に浴するのは、果たしてどの馬だろうか。世代を代表して出走する18頭。どの馬にも関係者やファンの想いが込められている。まずは全ての馬が無事にゴール板を駆け抜けてくれることを願う。
・【追記(結果)2019年5月27日11:00更新】
結果は1着ロジャーバローズ、2着ダノンキングリー、3着ヴェロックス。圧倒的1番人気のサートゥルナーリアは出遅れが響いたのか馬券圏外の4着に敗れた。
参照元:JRA公式サイト
予想・執筆:グレート室町
Photo:RocketNews24.
イラスト:原田たかし
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