「多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」と言ったのはユリウス・カエサルだが、世の中に「知らない方が幸せなこと」はたくさんある。見たくない現実を見たところで、絶望しか感じないことだってあるからだ。
これから取り上げるのもその1つ……かと思う。しかしながら、問題を解決するには現実を直視しないと始まらないのもまた事実。そう考えれば、この調査結果は非常に有用なデータと言えるかもしれない。
前置きがウダウダと長くなってしまったが本題に行こう。今回紹介するのは、既婚女性600名(20代:200名、30代:200名、40代:200名)を対象にした『第6回 離婚したくなる亭主の仕事』の調査結果。
「そもそも何ちゅう調査だよ」というのは置いておいて、その結果によると妻の半数近く(47.2%)が夫の仕事に対して不満を持っているらしい。
では、不満の理由は何なのかというと……
ブッチギリで多いのは「給料が低い」(73.5%)。そのあとに「残業が多い」(37.1%)、「休みが少ない」(19.1%)と続く。予想はつくものの、これを見るとやはり “お金” は大きいようだ。
ってことは、お金を多く稼いでいる夫の妻は比較的不満が少ないのかというと……実は全然そんなことないのである。
むしろ、年収1500万円以上の夫を持つ妻の40%が、「夫の仕事が原因で離婚したい」と考えているのだとか。ちなみに、「800万円以上1000万円未満」の場合は16.3%、300万円未満なら15.8%となっている。
この結果に、調査を行ったリスクモンスター株式会社は「夫の仕事に対する妻の不満はおおむね年収の低さと比例している一方で、年収800万円を超える高所得者層においても不満が生じている様子が表れていました」と記している。
──なぜ? と感じる男性は少なくないだろうが、同社によれば……
「年収が800万円を超える高所得者層においても妻の4人に1人が夫の仕事に不満を持っており、その理由として「残業が多い」が挙げられている点については、ある程度の収入があってもその収入を得るために仕事の拘束時間が長くなることに関して、それがまた不満に繋がっているということも見えてきました」
──超ざっくりまとめると、夫が稼いでいても仕事の拘束が長いと妻は不満ということであり、つまるところ「拘束時間短めで稼げ」ということである。
・どのくらい稼げばいいの?
じゃあ一体どのくらい稼げばいいのだろうか。調査結果を見てみると……
「国税庁が発表した2017年版「民間給与実態統計調査」において、男性の平均年収が531万円であることを考慮すると、平均未満の年収であることが妻の不満につながっていると考えられます」
──と記載されている。つまり平均未満だとヤバイらしい。ってことは、「平均以上であれば、とりあえず給料面はOKなのかな?」と思うかもしれないが、そうとも言い切れないのだ。
というのも、年収1500万円以上の夫を持つ妻の50%が「夫の給料が低い」ことを不満の理由に挙げているのである。
む、無理……。1500万円以上稼ぐなんて絶対に無理! それで「給料低い」とか言われたら色々と無理! そもそも、いっぱい稼ぐのも拘束時間を短くするのも、どっちも無理……! となっているのは私だけではないだろうが、調査結果をまとめると……
「夫の仕事に対して妻の2人に1人は不満を持っており、3人に1人は夫に転職して欲しいと考え、10人に1人は夫の仕事が原因で離婚したいと思っていることが明らかとなりました」
──とのことだから、夫の仕事は妻の不満に直結し、下手したら離婚につながることは明らか。これをどう捉えるかは人それぞれとはいえ、そういう調査結果があると知っておいて損はない……と思う。
なお、リスクモンスター株式会社のホームページには他の調査結果も記載されているので、気になる人はチェックしてみてくれ。ただし、男性の場合はじっくり見ていると気が滅入ってくる可能性大。ある意味 閲覧注意だからお気をつけて!
参照元:リスクモンスター株式会社『第6回 離婚したくなる亭主の仕事』(PDF)
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.