ブイヤベースを鍋料理と言っていいのか? 難しいところかと思います。人によっては「文句なしに鍋料理だ」という人もいるでしょうが、私がサイゼリヤで偶然『イカの墨入りブイヤベース』を見つけたとき、「これは鍋じゃない。鍋というよりは、魚介類の入ったスープだ」と思っておりました。

しかしながら、「魚介類の入ったスープって、それ鍋やん」という気持ちがするものですから、スマホを取り出してググってみましたところ……

「フランスの寄せ鍋料理」


──とWikipediaに書いてあるではありませんか(2019年1月29日時点)。

Wikipedia がそう言うなら仕方がありません。注文してみましょう。と思ってメニューの裏側を見ましたら、「イカの墨入りブイヤベースのお楽しみ方」が記載されております。

そこには、「白ワインと一緒に楽しむといい」とか、「パン(ミニフィセル)をスープにつけて食べると美味しい」といったことが書かれておりましたので、ブイヤベースと一緒にそれらを注文してみることにしました。


・実食

やがてやってきた真っ黒な一品。容赦のない黒と申しましょうか。イカ墨を食べたことがない私にとっては、抵抗を感じるほど真っ黒でございます。

そういえば、以前にどこかで「西洋の人は黒い食べ物に抵抗があるから、海外で海苔巻きを出す時は、海苔が外側に見えないように巻く」という話を聞いたことがありますが、このような料理を見ると、それは本当だろうかと思ってしまいます。だって、墨汁のように真っ黒なのですから。

とにかく、いただいてみましょう。スプーンをスープに沈めて、ひとさじすくって口に運んでみましたところ……イカスミの奥に魚介の存在を感じます。確かに、これは白ワインが合いますね。ニガ旨とコク旨の中間のような風味です。

ちなみに、鍋に入っていた魚介類はムール貝、エビ、イカ、アサリ、魚など。墨で真っ黒だったので、何の魚かは分かりませんでしたが、食感的にきっと白身魚でしょう。


・コスパを考える

ここで考えてしまうのは、コスパ。恐らく、専門家へ行けばもっと美味しいブイヤベースがあるはずです。しかしながら、サイゼリヤの『イカの墨入りブイヤベース』は単品が税込799円。この価格を考えたら……。

私が何度もリピートしたやよい軒の『しょうが鍋定食』が税込890円ですから、それより安いのです。もちろん、ワインやらパンやらを頼むと799円を越えてしまいますが、サイゼリヤといえばワインのコスパが素晴らしいのは有名な話。グラスワインだとたったの100円(税込)なのです。ということは……

鍋を突つきながら飲みたいとき、サイゼリヤはかなりの穴場と言えるのではないでしょうか。やよい軒や牛丼チェーンのコスパも素晴らしいですが、それらはどちらかと言うと、 “飲む” というより “ご飯を食べる” という感じですからね。”飲み” が絡むと、サイゼリヤのコスパは圧倒的です。

また、居酒屋でも1人鍋はありますが、鍋およびアルコールのコスパで、サイゼリヤに太刀打ちできるところは稀でしょう。そんなわけで、鍋を突つきながら飲みたいならサイゼリヤもアリ……と思った次第です。

ちなみに、この『イカの墨入りブイヤベース』は販売期間限定の商品。気になった方は「いつでも食べられるわけではない」ということを覚えておいて下さいね。

参考リンク:Wikipediaサイゼリヤ
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

★こちらもどうぞ → 「チェーン店の1人鍋ぜんぶ食う

▼ちなみに、サイズ的には牛丼チェーンなどで出てくる “一般的な1人鍋のサイズ” です

▼パンをひたしていただきます。こういう鍋も良いですね

何度もリピした「やよい軒のしょうが鍋定食」はこちらです