店舗の名前は覚えやすい方がいい。とはいえ、飲食店となるとライバルは星の数。そんななかでありきたりな名前を付けても覚えてもらえない。とくにライバルの多い業態では、他店と差別化するためにインパクト絶大な名前を付けるお店が多いのは事実。ラーメン屋なら「世界一暇なラーメン屋」とか、とんかつ屋なら「とんかつは飲み物。」とか。
その傾向は、なんとパン屋にも波及しているらしい。2018年12月19日に東京・中野坂上にオープンした食パン専門店は、「うん間違いないっ!」という。ラーメン屋みたいな名前じゃないか! とにかく行ってみたところ、すでに行列が出来る人気店となっていた!!
・ベーカリープロデューサーが手掛けたお店
お店は、東京メトロ中野坂上駅から徒歩約3分のところにある。このお店は、ベーカリープロデューサーの岸本拓也氏が手掛けたそうだ。2011年から異業種オーナーのベーカリーを全国でプロデュースしており、最近では清瀬と菊名にベーカリー「考えた人すごいわ」、相模原市にベーカリー「午後の食パン これ半端ないって!」を手掛けている。いずれも食パン専門店だが、店の名前がわかりにくい……。
さて、11時の開店時間にお店に行ってみると、すでに行列! けっこう軽い気持ちでお店を訪ねてみたけど、10人くらい並んでいるじゃないか。
販売している商品は、「Oh! 間違いない」(税別800円)と「絶対100パーセント」(税別980円)の2種だ。……商品名だけだと何のことだかよくわからないな……。「Oh! 間違いない」は2斤食パンで、「絶対100パーセント」は2斤のレーズン食パンである。レーズン食パンは、12時に焼き上がるとのことなので今回は諦めた。
10人近く並んでいたが、幸い回転が早く、5分ほどで自分の順番が来た。Oh! 間違いないを1本購入。列を離れる頃には、さらに人があとに続き、列は長くなっていた。
紙袋を見ると、個性的なのはお店の名前だけじゃなかった。このモジャモジャのキャラはお店のマスコットか? あんまり「まいった」って顔してない……。
・手触りでわかる!
持ち帰った食パンを見ると、表面の焼き目はとてもキレイだ。手に持つと、小型のクッションを持っているような柔らかな手触り。
食べる前からあえて言おう、うん間違いないっ! これはウマいヤツだろッ!!
・生食推奨!
カットすると、耳は薄く生地の断面は真っ白でキメ細やかだ。小麦粉の芳しい香りがふわっと立ち上がる。この匂いだけで心癒される。ビニール袋のパンを1枚入れて、部屋の隅で嗅いでいたい。
お店のオススメの食べ方は、購入当日は生食で。翌日以降は厚切りにしてトーストした方が良いとのことだ。という訳でまずは生食。
そのまま一口食べると、やわからな歯触りで食パンを食べているというよりも、大福やまんじゅうを口にしているような感触に驚く。そして、口のなかでパン生地の繊維が静かに溶けていくようだ。生クリームを使用しており、そのかすかな甘さを感じ取ることができる。う~ん、今まで食べてきた食パンとはたしかに一味違う。これは生食で1本完食したくなる味。
・トーストよりもやっぱり生食
念のため、トーストでもその味を確かめてみた。
耳はサックリとして、ブリオッシュを思わせる軽い歯触りになったのだが、パンが持つ本来の風味がいくぶん損なわれてしまう。これはやはりお店が勧めるように、初日は生で食うべきだ。できれば何もつけずに、そのままで食うのがより美味しく感じられるのではないかと実感した。
ちなみにお店は食パンが完売し次第終了するので、食べてみたいという人は営業時間内、早めに訪ねることをオススメする。
・今回訪問した店舗の情報
店名 うん間違いないっ!
住所 東京都中野区本町2-50-11
営業時間 11:00~21:00(売切次第終了)
定休日 不定休
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24