「ワークマン」といえば、作業服屋である。土木建築関係の職種に就く人にとっては、ここに来れば何でも揃う、言わば『宝箱』のような衣料品店だ。だが、土木建築関係者だけが利用していたのはすでに過去の話。今は、機能性ファッションブランドとして、新しいイメージを打ち出そうとしている。

そんなワークマンのアウトドアに特化した店舗が、東京・立川にオープンしていた。実際に行ってみると……ここは本当にワークマンか?

・ガテン系要素ゼロ

新しいタイプの店舗は「ワークマンプラス」という。立川の商業施設「ららぽーと」に2018年9月はじめにオープンした。そもそも、従来のワークマンのイメージを考えれば、ららぽーとに進出するなんてあり得ないことだ。ニッカポッカや地下足袋をファミリー向けに売るのか? と思ってしまう。

実際にお店に行ってみると、店の入り口からあの『ガテン系』の印象はゼロ! ユニクロやGUのようなファストファッションの雰囲気が漂っている。


・カラフルな商品

陳列されている商品を見たところ、本家ワークマンの棚に並ぶ品々と明らかに色合いが違う。本家は黒や白、茶色など “わび・さび” を感じる色の衣料品が多いのだが、こちらはカラフル。赤や青、黄色などネオンカラーのハイカラなトーンのパーカやパンツがズラリと並んでいる。


ここにニッカポッカはない! 地下足袋もない! ヘルメットも安全帯も長靴も、寅壱の商品さえもないのだ! 完全にファストファッションのお店と化している。しかも、値段が安い! ほとんどの商品が1900~2900円の価格帯に収まっている。一部、これに属さない商品もあるが、それでも1万円以下だ。


・他のファストファションとの違い

他のファストファッションのお店と異なる点は2つ。まず1つが、サイズ感が大きめ。おそらく元が作業服サイズであるため、Sサイズの取り扱いが少ない印象。Mサイズから、大きいものは3Lまである。

もう1つは、手袋が充実していること。これもまた、作業服製造で培ったノウハウが生かされているのだろう。オシャレにアレンジされたゴム手袋や皮手袋が豊富にあった。


・ストレッチのパーカを購入

私(佐藤)はここで、ストレッチソフトシェルジャケット(2500円)を購入した。

毎年この時期になるとユニクロのブロックテックパーカを購入することが多い私だが、今年はそれを見送った。というのも、長く使っていると割と蒸れることが気になってきたからだ。「この蒸れはナイロン製の生地では避けられない」と感じ、ストレッチ製パーカを選んでみた。

ちなみにユニクロのパーカは、期間限定で4990円。購入したストレッチパーカはその半分の値段。価格も他のファストファッションに引けをとらない


はたしてワークマンは今後、ファッション市場でシェアを拡大していくことになるのだろうか? これからが気になるところだ。

・今回訪問した店舗の情報

店名 ワークマンプラス
住所 東京都立川市泉町935番地-1 ららぽーと立川立飛店 3F
営業時間 10:00~21:00
定休日 なし(ららぽーとに準ずる)

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24