“人類みな兄弟” という言葉があるが、そう言ってしまえるぐらい、思ったよりも世界は広くないのかもしれない。おそらく、誰しも一度はそんな経験をしたことがあるのではないだろうか。

そして身をもってそんな感覚を体験した人がここにもいる。何を隠そう筆者(私)なのだが、休暇でヨーロッパに行った時、適当にフラリと入ったバーで男性に声をかけられたら、なんと筆者の友達の親友だということが判明したのだ。やっぱり世界は狭い!

・バルセロナで信じられないような偶然が!

昨年の春、筆者は一人旅を楽しむためにスペインへ飛んだ。最初に訪れたマドリッドでは、英語を話せる現地の人と遭遇できずに交流が少なく、ちょっぴりションボリ気味になっていた。

そして次の目的地バルセロナでビーチに行った際、たまたま通りがかりにアイリッシュパブを見かけ、「ここなら英語を話す人がいるかも」と思い一杯やることに。すると思った通り、バーテンダーがアイルランド人のお姉ちゃんで会話がスタート。しばらくしたら、隣にいたアメリカ人男性が話しかけてきた。ここでは彼をロブと呼ぶことにしよう。

・遠い海外でバッタリ出会った人が友達の親友だった!

日本に住んでいたことがあるというロブは、どうやら筆者が日本人だと察して声をかけてきたようだ。なんでも数年前に関西に住んでいたことがあるそうで、筆者も大阪在住なので「ご近所さんだったんですね」といった感じで話が弾んだ。

そして「日本で仕事は何をしてたんですか?」と尋ねると、某交響楽団にいたらしい。実は筆者には、それほど親しいという訳ではないが交響楽団に在籍する外国人の友達(仮名ジョン)が大阪にいて、スペインに行く話をしたら「バルセロナに僕の親友がいるんだ」と言っていた。

そこで「も、もしかしてジョンは共通の友達!?」と思い切って聞いて見ると、ロブは信じられないといった表情を浮かべながら「ジョンは僕のベストフレンドだよ!」と答えたではないか! もう、この瞬間二人で「えええええ~~~!!!!」と、驚がくの声を上げてしまったのは言うまでもない。

・クラシックのコンサートに招待された!

「これはジョンに報告せねば」と、すぐにツーショット写真を撮って送信すると、彼もビックリ仰天! 筆者はジョンの親友がバルセロナに住んでいるとは聞いていたが、名前や顔をはじめバルセロナのどの辺で遊んでいるのかなど全く情報を知らなかった。

バルセロナには、数百件どころか星の数ほどバーがあるはず。適当にフラリと入ったバーで、友達の親友とバッタリ遭遇する確率は天文学的な数字になりそうだ。まさかの偶然にロブと乾杯した筆者はバーを何軒かハシゴし、次の日は彼が所属する交響楽団のコンサートに招待され、思いがけずクラシックの演奏を楽しむことができた。

・やっぱり世界は狭い!

そして、このロマコメ映画みたいな展開に、筆者の女友達と妹は大興奮! 遠距離恋愛が始まるんじゃないかと色めき立っていたが、ロブの写真を送ると「こりゃ、Nekolasのタイプちゃうなあ~……」と意気消沈していたのだった。

周りの言う通り、彼は全く筆者のタイプではなかったため(いい人だったんだけど……)、一緒にお酒を飲んでコンサートを鑑賞しただけである。ともあれ、この体験で「やっぱり世界は狭い!」と思い、「やっぱり映画みたいなオイシイ展開にはならんぜよ」という現実も実感したのであった。

なにかと筆者は妙な偶然を経験することが多く、今回は「やっぱり世界は狭い!」の一編にすぎない。次の機会に、さらなる偶然を紹介したいと思う。

Report:Nekolas
Photo:Rocketnews24.