2018年6月9日、新横浜ー小田原間を走行中の東海道新幹線「のぞみ」で起きてしまった痛ましい事件。多くの人はご存じであろう、刃物を持った男に乗客が襲われた「新幹線3人死傷事件」である。まずは亡くなった男性のご冥福と、被害にあわれた女性たちのいち早い心と体の回復を祈りたい。
さて、今回の「新幹線3人死傷事件」が起きてしまった理由のひとつとして「新幹線に手荷物検査がない」ことが挙げられている。ネット上では手荷物検査を導入すべきか否か、様々な意見が交わされているのでご紹介しよう。
・飛行機以外に手荷物検査はなし
ご存じの通り日本では鉄道に乗車する際、基本的に手荷物検査は実施されない。さすが「世界でもっとも治安の良い国のひとつ」に数えられるだけあって、これまでは「わざわざそんなことをする必要はない」と考えていた人も多いハズだ。
もちろん、長距離バスなどでも基本的には手荷物検査は実施されておらず、日本で唯一手荷物検査があるのは「飛行機」に乗るときだけ。また、交通機関ではないものの、数千、数万人規模の人が集まる大型イベントなどでは、手荷物検査が実施されることもある。
・導入した場合のメリットとデメリット
例えば「新幹線での手荷物検査」を導入した場合、どういった効果が得られるだろうか? 当然、一定の抑止力にはなるだろうが、一方で大幅なコスト増やそれにかかかる時間のロス、さらには「自由度の消失」は必ず発生してしまうハズだ。
それでも「命には代えられない」という意見も当然わかる。現在のところ「コレ!」という正解のない議題だが、ここでネット上にあった様々な声をお伝えしたい。
・手荷物検査の導入に「賛成する人」の声
「面倒かもしれないけど、命にかかわるなら仕方ない」
「手間もさほどかからない金属探知機くらいから始めたらどうか?」
「自分だけならいいけど、子供のことなどを考えると導入した方がいいと思う」
「現実的かはわからないけど、東京オリンピックもあるので何かしらの施策が必要では?」
「すべてを防げるとは思わないけど、それでもやらないよりはマシなのでは?」
「抜き打ち検査くらいなら比較的簡単に始められるのでは?」
・手荷物検査の導入に「反対する人」の声
「新幹線がこれ以上高くなったらキツイ」
「新幹線だけで導入しても基本的な解決にはならない。犯人がバスに行くだけ」
「やるやつはどこでもやる。つまり解決策はない」
「莫大なコストをかけてどれほどの効果があるのか?」
「導入には時間も相当かかると思う。現実的ではないのでは?」
「まずは個人個人が意識して気を付けるしかないと思う」
どちらの意見にも一理あり「どちらが正しい正しくない」といった話ではない。総じて言うと「何かしらの対策はしなければならないが、具体的にどうすればいいのかはわからない」といったところなのだろう。
仮に今後「刃物に瞬時に反応するセンサー」や「何かあった時に犯人を取り押さえるロボット」などが開発されれば問題はある程度解決するに違いないが、それはおとぎ話の領域である。いま我々ができるのは「どうすることがベターなのか?」を考えることだけなのかもしれない。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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