
4月。新しい出会いの季節。私(あひるねこ)はこの時期になると、数年前に遭遇した1人のおじさんのことを思い出す。別に仲良くなったわけでも、話をしたわけでもない。本当にただ遭遇しただけなのだが、私の中では控えめに言っても伝説の存在になっているのだ。
一体そのおじさんの何がすごかったのか? なかなか一言では説明し辛いのだが、とにかくそのおじさんは、看板をぶん投げたくて仕方がないのである。意味が分からない? 大丈夫だ、私もよく分からない。とにかく、今回はその超エクストリームなおじさんの話をしようと思うので聞いてほしい。あれは、平日の深夜1時くらいだっただろうか……。
・深夜に響く轟音
私は自宅へ向かって、ひとけのなくなった大通りを1人で歩いていた。昼間はそこそこ交通量が多い道なのだが、平日の深夜ということもあり、歩いているのは私くらいのものである。その途中、交差点の横断歩道を渡っている時に事件は起きた。
バーーーーーーン!
突如、爆発のような凄まじい音が深夜の静寂を切り裂いたのだ。その爆音は、イヤホンでふさいでいた私の鼓膜をも激しく震わせた。何だ? 何が起きた!? 瞬間的に私の頭によぎったのは、トラックの荷台から積み荷が落下する光景である。今のはまさにそんな音だった。
・怪しい人影
すでに横断歩道を渡り切っていた私は、急いで振り返り周囲を見回す。が、そこには車の影さえ見えない。これは一体どういうことだ? 今の音は何だったんだ? ワケが分からずしばらく交差点を見つめていた私の目が、反対側の歩道に1人の男の姿を捉えた。そう、伝説の始まりである。
・ありえない行動に
40~50代くらいだろうか。メガネをかけ、白っぽいシャツを着ている。見た目はごく普通のおじさんだ。しかし、見た目は普通でも行動は普通ではなかった。よく見ると、おじさんは手に大きな板のようなものを持っているのだ。どうやら、ガードレールに立てかけてあった案内用の立て看板らしい。なぜそんなものを……。
すると次の瞬間、おじさんは持っていた立て看板を、地面に思い切り叩き付けたのである!
バーーーーーーン!
……。
…………。
………………。
は?
いやいやいや。何してんだよ! 自ら看板を拾い直したおじさんは、今度はちょっと遠くの方へぶん投げている。バーーーーーン! という音が再び周囲に響いた。そうかお前か! さっきの爆音はお前か!! 何から何まで意味不明すぎて、しばらく呆然とする私。
・漂う緊張感
とにかく、あんなのとは関わらない方が身のためである。私はおじさんを横目に家路へと急いだ。途中コンビニに寄ったこともあり、おじさんのことはその時点ですでに頭から消えたように思う。しかし、コンビニを出て歩きだすと……マジか。前を歩いていやがった。
帰り道同じ方向かよ! 嫌だな~、なんとなく追い越すのこえーし。なのに歩くのが超遅い。やめろ! 追いつくだろ!! そうやってしばらく観察していると、なぜかおじさんは道路沿いにある八百屋や居酒屋の看板を、足を止めてじっくりと見入っていることに気付く。
・次なる獲物
そう、なんとこのおじさん、次のターゲットを探していたのだ! 歩きながら、次にぶん投げる看板を物色しているのである。何なんだよその癖(へき)は! レベル高すぎるだろ!! イイ感じの看板を見つけた時の目付きは、まさに狩人のそれ。早くぶん投げたくてウズウズしているのだろう。
ただ、なかなかお眼鏡に叶う看板がないようで、ぶん投げるまでには至らないご様子。一方の私は、その時すでにおじさんのすぐ後ろにまで近付いており、早くどこかで曲がってくれ……! と心の中で強く念じ続けていた。するとその直後、おじさんに異変が起きる。
・まさかの選択
バッ! それまでノロノロと歩いていたのが、急にダッシュで何かに駆け寄っていったのだ。どうしたというのか? おじさんが向かった先には、とある会社の自社ビルが建っている。その入口付近には社名が刻まれた鉄のプレートのようなものが置いてあり、おじさんが一目散に目指したのはそこだった。おい、まさか……。
そう、そのまさかである。なんとおじさんは、よりにもよって地面に溶接されているそのプレートをターゲットに選んでしまったのだ。いや、それは無理だろ! 駆け寄るや否や、全力でぶん投げるためガッチリとプレートに指をかけるおじさん。グッ! という音が聞こえたような気がした。だから、絶対にそれは無理だろォォォオオ!
・何だったのか?
不可能に挑み続けるおっさんの横をすすーっと通り抜け、私は早歩きで帰路についた。振り返ることを一切しなかったので、その後おじさんがどうなったのかは分からない。ただ、翌日も普通にプレートはあったので、失敗に終わったのは間違いないだろう。
私がおじさんを見たのは、それが最初で最後だ。結局あのおじさんは何だったのか? そして、看板全般に何の恨みがあったのか? 今となっては、真相は闇の中である。
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
あひるねこ




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