少し乱暴な言い方をすれば、人生とは「老化との戦い」である。いつまでも若いつもりでいられるのは、せいぜい20代まで。30代も中盤に差し掛かってくると、目に見えて衰えを感じて来る。40代の私(佐藤)が言っているから、間違いない。
しかし残念なことに、30代でそのことに気づいても早めに手を打つ人は意外と少ない。そこであえて言いたい。30代よ! できるだけ運動習慣を身につけよ! 1日でも早い方がいい。その理由についてお伝えしたい。
・自分も遅かった
そういう私自身も、30代の時にまともな運動習慣をつけることなく、スルーしてしまった。38歳くらいから週に1度ジムに通う程度でしかなく、まともにやり始めたのは43歳の時。そうポールダンスを始めたことがきっかけだ。
・「やれば出来る」は勘違い
運動の習慣化をさまたげている要因はいくつかある。まず最初に考えられるのが、「やれば出来る」だ。運動は割と得意だったとか、学生の時に大会で優勝したとか。そういう過去が、この種の勘違いを引き起こしやすい。ハッキリ言うが、やっても出来ない。自分の期待に沿うように身体は動かないし、何をやっても体力がもたない。
やれば出来るのは20代までであって、30代になると、理想とかけ離れた現実を見ることになるので、あまり安易に考えるべきではない。場合によっては、ハッスルしすぎてケガをする可能性がある。「やれば出来る」は勘違いであると知るべきだ。
・圧倒的に時間がない
習慣化するということは、定期的に時間を割くということだ。若い時には1日中寝ていられるほど時間があるのに、歳を重ねるとドンドン時間を作るのが難しくなってくる。独身の身なら融通も利くだろうが、恋人ができて結婚し、子どもができてとなると自分の時間は二の次。週一でジム通いさえ難しいというケースもあるだろう。
ということは、逆算すると恋人ができるより前に習慣化しておいた方が、運動を続けやすいはず。だから、自由に時間が使えるうちに、運動習慣を作る努力をした方がいい。本当に時間がなくなっていくぞ。
・諦める理由なんかいくらでも知ってる
若い時なら、「アイツに負けたくない」という理由だけでがんばれる。反骨心をバネにして、自分を鼓舞することができるのだが、歳をとるとそんな馬力はもう出ない。自分の分(ぶ)をわきまえて、得意不得意を上手に見極めるのも大人になった証拠だ。
だが、その大人の心が習慣化をさまたげてしまう。諦める理由なんか、いくらでも知っているし、いくらでもその理由を作ることだってできる。言い訳上手になってしまっていることに気づくべきだ。人はどんな理由をつけてでも、楽をしようとしてしまう。その心に負けないうちに、日常に運動を取り込もう。
・クセに支配されている
ストレッチやヨガをやるとすぐにわかることなのだが、自分の身体を思うようにコントロールできない。これは、長年培ったクセによって、身体の動く部位が制限されており、ある意味クセに支配されているからと言っていいかもしれない。
身体が硬いのは、自ら稼働域を狭めた証。「動かす必要がない」と体が判断したから、いざ動かそうと思うとまったく動かせないのである。そのクセを解消して、もう1度動くようにコントロールしないと、さらに歳を重ねたら、ますます動かなくなる。早く、クセの支配をとこう。
・今できそうならやろう!
これだけ運動を習慣化した方が良い理由を伝えても、すぐに行動に移す人は少ないと思う。だが、それでも言おう! 今よりも歳を重ねたら、時間を作ることが難しくなって、やりたいと思う時にはその時間さえなくなってしまうかもしれないぞ! 今できそうだと思うなら、すぐに始めよう!! 少しずつでも長く続けられることが大事だ。
執筆:佐藤英典
イラスト・Photo:Rocketnews24