いわゆる “加熱式タバコ” が広く普及してから3年が経とうとしている。それまでは紙巻きタバコを吸っていた愛煙家の中にも、加熱式タバコに乗り換えたという人も多いのではなかろうか? そしてその動機が「ニオイが少ないから」という人も多いに違いない。
だがしかし、現在インターネット上では「iQOS(アイコス)は普通のタバコより臭い」といった噂がチラホラ見受けられ、関連ワードで検索するとそれなりのボリュームの情報にたどり着く。そこで今回はiQOSのニオイに悩むという女性3名に、緊急インタビューを敢行したのでご覧いただきたい。
・OL3人にインタビュー
現在発売されている加熱式タバコの中で、もっともポピュラーなのがフィリップモリス社が展開する「iQOS」だ。プルームテックやグローに先駆けて2015年に発売開始となったiQOSは、加熱式タバコの草分け的な存在と言えるだろう。
さて今回インタビューに応じてくれたのは、同じ職場に通うOLさん3名だ。Aさんは彼がiQOSユーザーで、Bさんはお父さんがヘビースモーカー、そして3人は共通して職場でのiQOS臭に悩んでいるという。それでは以下でインタビューの様子をご覧いただきたい。
・どんなニオイがするのか?
──まずお伺いします。紙巻きタバコのニオイはわかるのですが、iQOS臭とはどんなニオイなのでしょうか?
Aさん「なんか、“生木が燃えたニオイ” というか “甘い焦げたニオイ” というか……ヤニっぽくはないんですが、また別のクサさがありますよね」
Bさん「そうですね、“キャラメルポップコーンが焦げたニオイ”って感じですかね。それまでタバコが煙臭いと思っていたので、最初は “甘い香りだな” くらいにしか感じませんでした」
──なるほど。時間が経って不快なニオイに変化したのですか?
Cさん「なんかムワッと来るというか、太いニオイなんですよね。ツンとしたニオイというよりは野太いニオイで “また焦げたニオイがするな” と感じるようになりました」
──ふむふむ。
Aさん「ニオイ自体も不快なんですが、iQOS臭は普通のタバコと比べて明らかに拡散力が強いように思うんです。普通のタバコが半径1メートルくらいだとすると、iQOSは5メートル先にいても “吸ったな” ってわかります」
Bさん「そうそう! わかる!」
Cさん「普通のタバコはせいぜい服や髪にニオイが付くくらいだと思うんですけど、iQOS臭は広範囲まで、しかも深くまとわりつくというか……体内に取り込まれて放出されてる感じがするんですよね」
・個人差がある可能性
──なるほど……。
Bさん「うちは父がヘビースモーカーで1年ほど前にiQOSに切り替えたんです。いつもベランダで吸っているんですが、iQOSに替えてから家中が常にiQOS臭くなりました。こんなこと以前にはありませんでしたね」
Aさん「それうちもです。旦那がiQOSに切り替えたんですが、玄関に入っただけでiQOSのニオイがするようになりました。もちろん旦那は部屋の中ではなくベランダで吸ってます」
──そんなに残るものですか?
Aさん「残りますね。旦那自身は自覚がないようですが、彼の職場のiQOSユーザー同士がお互いに “クサいね”って言ってるらしいです。部屋がいつもiQOS臭なのはちょっと耐えられないので、旦那には “紙巻きタバコに戻してくれ” とお願いしてます」
Bさん「すごいわかります。普通のタバコももちろんクサいですけど、iQOSよりは全然マシです」
Cさん「まだ普通のタバコのニオイの方が慣れてるっていうのもあると思うんですよ。私は居酒屋でバイトしていたのでタバコのニオイはそこまで気になりません。ただiQOSは新種のニオイなのでムワッと来ますね」
──ちなみに個人差はあるんでしょうか?
Aさん「個人差ですか、どうだろう……?」
Bさん「あるかも! ほら、会社のZくんは超iQOSくさいけど、Yくんは全然しなくない?」
Aさん「確かにしない! あ、じゃあ個人差はかなりあるかもしれないですね」
──それってフレーバーの違いなどの可能性はありませんか?
Cさん「でもZさんもYくんも同じ濃い緑のヤツを吸ってませんか?」
Bさん「そう、2人とも同じのを吸ってる」
Aさん「じゃあやっぱり個人差なのかな? Zくんは30代でYくんは20代だから年齢ってこと? あ、でもうちの旦那は20代だ……」
・もっとも危険なニオイ
──うーむ、年齢が関係してるかは不明として個人差はありそうですね。
Bさん「それはあると思います。いや、あります」
Cさん「あと一番ヤバいのが、体臭とiQOS臭が混じり合ったニオイです。普通のタバコの場合、体臭よりも煙のニオイが勝つんですが、なぜかiQOSは合体しちゃうんです。これが一番クサいです」
Aさん「そう、同時に来るときあるよね! あれヤバい!」
──うーむ、口臭ではなく体臭ですか。
Bさん「口じゃないと思います。口ってかなり近距離じゃないとわからないじゃないですか? さっきも出ましたが、iQOSのニオイはかなり遠くまで来るので、全身から出ているとしか思えません」
──わかりました。では最後に何かありますか?
Aさん「iQOS吸ってる人って “もう自分はニオわない” と思っている人が多いと思うんですけど、それ全然違いますから。タバコ臭さとは違ったニオイがあってしかもクサいことを知って欲しいですね」
Bさん「そう、種類は違うけど私は普通のタバコの方が全然マシです」
Cさん「なので間違っても歩きタバコとかしないで欲しいです。本当に結構遠くからでも感じるので」
記者自身の身近にもiQOSユーザーはいるが、かなり近くに接近しない限り独特のニオイを感じたことはない。だが、彼女たちによればiQOS臭は個人差があるものの「拡散力が高く」「体臭と混ざるとかなりヤバい」とのことであった。
また、念のためiQOSのお客様サポートセンターに問い合わせたところ、
「iQOSも加熱式とはいえタバコですので独特の香りはあります。それが不快かどうかは個人差があるものと思われます。ただ、体臭と混ざるといったような話は聞いたことがありません」
……と話していた。つまり今回のインタビューはあくまで女性3人の意見であって、科学的根拠に基づくものではないことは記述しておきたい。
とはいえ、3人がインタビューで語ってくれた内容は、彼女たち自身が体験したリアルエピソードだということもまた事実である。インタビューの最後にあったように「iQOSに替えたからもうクサくない」と思い込むのは危険なのかもしれない。
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼「iQOSに替えたからもうクサくない」というワケではないらしい。