南極点に向けて無補給単独徒歩の冒険を続けている荻田泰永(おぎたやすなが)氏。18日目の行程を終えて、日本の事務局に定時連絡が入ったので、現状をお伝えしよう。

・荻田氏からの定期連絡(日本時間 12月5日)

現在地:南緯82度21分 西経0度04分
この日の移動距離:22.0km
標高:908m
天候:晴れ
気温:マイナス20度

・標高とともに下がる気温

これまで、どれだけ気温が低くてもマイナス10度台を下回ることはなかったのだが、ここへきて一気に5度下がり、この日は晴れでも気温はマイナス20度。こうなったのは、標高が上がったことが大きいそうだ。ちなみに、目標地点の標高は2800mなので、これからさらに気温が下がる可能性もある。

・移動距離をさらに更新

しかしながら、移動距離はこれまででもっとも長い22.0km。山の上から吹き下す「カタバ風」のおかげで、新雪は吹き飛ばされ、雪面はしっかりと冷え固まっているおかげで、ソリをひきやすくなっているらしい。この調子で順調に前進できることを願う。


・お悩み相談の回答

では、荻田氏のTwitterに寄せられた「お悩み相談」の回答を紹介しよう。


相談「荻田さん、残り1000km 頑張ってください! 質問は、40歳までにここだけは行っておけ、という場所がありましたら教えてください!」

荻田「北極と南極しか海外旅行をしたことない人間に聞くと、答えは『極地』にしかならないですよ」


相談「ひとはなぜ旅をするのか」

荻田永遠の謎、ですね」


相談心がしんどい時、どうやって乗り越えてますか? また、しんどくならないように何か工夫していますか?」

荻田「状況に抗って改善するならいくらでも抗いますが、自然の中では人間がどう頑張っても天候は変わらないし、状況は変わらない。唯一変えられるのは自分の心だけ。しんどいのもキツイのも、自分で始めたことだと諦めて受け入れるしかないのです」


※南極お悩み相談
荻田氏のTwitter( @ogitayasunaga )をフォローして、「#南極お悩み相談」をつけて相談を投稿すると、荻田氏が相談に答えてくれるかも! 相談内容は日本の事務局から荻田氏に伝えられるぞ。南極大陸を歩き続ける荻田氏に、何でも相談してみよう!

協力:荻田泰永南極遠征事務局
Photo:荻田泰永, used with permission.
執筆:佐藤英典
★こちらもどうぞ → 荻田氏の「南極冒険

▼この日、これまででもっとも長い22kmを移動。この調子で20m台を維持して欲しい