2017年8月末、米テキサス州に上陸して甚大な被害をもたらしたハリケーン「ハービー」に続き、米フロリダ州を直撃したハリケーン「イルマ」。
それらハリケーンの名称は日本のニュース番組でもよく耳にするが、そもそもなぜアメリカでは、ハリケーンに人の名前が付けられているのかと不思議に思ったことはないだろうか!? そんな疑問に答えるべく、その謎に迫ってみたいと思う。
・なぜ米ハリケーンには人の名前が付けられているの!?
米ニュースサイト『MENTAL FLOSS』によると、1950年代以前のハリケーンは、発生した年と順番を組み合わせた数字で呼ばれていたのだそう。ところが、同時に複数のハリケーンを観測する気象学者や、警告を発するメディアが混乱をきたすことがあったのだとか。
そこで、米海洋大気局国立ハリケーンセンターが、どのハリケーンがどこに接近しているのか分かりやすくするために、1953年からアルファベット順にハリケーンに人の名前を付けることを決定。
その理由は、音声学的に数字よりも人の名前の方が覚えやすく、より効率的にコミュニケーションが取れるため、混乱することなく正確な情報を得て安全を確保できるからだそうだ。
・名前は事前にリストアップされている
毎年、前もって21の名前のリストがハリケーン用に用意され、アルファベットのQとU、XとY、Zは名前を付けにくいからか使用されないとのこと。
例を挙げると、2017年のハリケーンは1番目に発生したのが「Arlene:アーリーン」で2番目が「Bret:ブレット」、3番目が「Cindy:シンディ」という順番でリストアップされている。
また、1年で21以上のハリケーンが発生した場合、22番以降はギリシャ文字のアルファベットが名前に付けられるそう。例えば22番目のハリケーンは「アルファ」、23番目は「ベータ」と呼ばれることになるようだ。
ちなみに、1979年まではなぜか女性の名前しか付けられていなかったのだが、それ以降は男性の名前も使われるようになったらしい。
・数字よりは人の名前の方が分かりやすいけど……
確かに、日本のように数字で呼ぶよりは分かりやすいが、甚大な被害をもたらして多くの死者を出したハリケーンと自分の名前が同じだったら、なんとなく後味が悪い感覚を味わってしまいそうだ。
日本も台風シーズンの真っ只中だが、マメに天気予報をチェックして、危険な目に遭わないように気を付けたいものである。
参照元:MENTAL FLOSS、Earth Sky、National Hurricane Center(英語)
執筆:Nekolas
Photo:Wikimedia Commons