今では世界各国に進出し、外国人からも親しまれている日本食。直球ど真ん中の寿司をはじめ、刺身に天ぷら、さらには焼き鳥やラーメンなど、挙げたらキリがないほどジャンルは幅広い。
中でも人気上昇しているのがラーメン。そして外国人が好きな日本ラーメンといえば、思い浮かぶのが一蘭や一風堂といったバリバリの豚骨……あたりなのだが、中国では意外なラーメンが絶大な人気! もはや揺るがないほどの地位を築いているのをご存知だろうか。どこかというと、ズバリ「味千ラーメン」だ。
・中国で絶大な人気を誇る熊本のラーメン
きっとその名前を聞いたことがない人もいることだろう。それもそのはず、味千ラーメンは北海道から沖縄まで店舗があるものの、いかんせん主要都市にあまりない。熊本発祥なので九州には店舗を多く構えるが、それでも他の有名チェーンと比べると少なさは否めないからだ。
しかし、海外に目を向ければアラ不思議! 公式HPによると現在の国内店舗は83店舗だが、海外店舗の数は中国だけで600店舗以上という絶大な人気を誇り、究極の不思議な現象が起きているのである。
・15年ぶりに実食
ただ、それを聞いて「本当においしいの?」と思う人もいるに違いない。そこで今回は、どんなラーメンなのかお伝えするべく、福岡空港の近くにある半道橋店を訪れた訳だ。個人的には、味千ラーメンを食べるのは15年ぶりくらい。しかも、中国・上海で食べて以来となる。
当時の記憶はだいぶ薄れてしまったため、味はほとんど覚えていない。だが、ハッキリと思い出せるのはとにかく人が多かったこと。次から次へと客が入る様子にどんだけ人気なんだと驚いたのは、今でも脳裏に焼きついている。
・食べやすい豚骨ラーメン
それはさておき、半道橋店に入店すると、開店からすぐの時間ということもあってかお客さんの姿はボチボチといったところ。まずは券売機でメインの味千ラーメン(600円)を注文した。メニューや店内を眺めつつ待っていると……キタキタ! キマシタワ!!
一言でいうなら「THE豚骨」といったラーメンだ。印象的なのは、褐色のタレ。なんでも、これがコクのあるスープを作り出している秘訣らしい。一口スープから飲んでみると、絶妙な濃厚さが口に広がる。豚骨ラーメンで気にする人が多い臭いも、程よく抑えられていた。
確かに……確かに、中国で食べた味千ラーメンも似たような味だったような気がする。麺もオーソドックスなストレートで、激しくうなるほど特徴はないのだが、万人受けする一杯。当時、日本食が満足にない異国の中国で、味千ラーメンを食べてホッとしたのを思い出した。
・文化に合わせた努力
それにしても、味千ラーメンを食べて改めてスゴいと思ったのが、ラーメンの発祥地である中国で成功したことだ。シンプルなラーメンが多い中国でヒットするのは至難の技。じっくりと抽出されたスープが、ドンピシャで中国人にクリティカルヒットしたのだろうか。
ただ、中国での味千ラーメンはサイドメニューがやたらと多かったことを思い出せば、土地に合わせる努力も垣間見える。中国のことを知るというか、中国人は円卓を囲んでワイワイ食べるのが好きなこともあって、そういった文化を考えたサービスも展開していったのだろう。
とにかく、億単位で人気になるとスケールは規格外。もしかしたら味千ラーメンは、地球上で一番知られている日本ラーメン店と言っても過言ではないかもしれない。食べたことがない人はいるかもだが、同店は世界の空港にも続々と出店し始めているので、もし出会ったら一度味わってみるのもオススメだ。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 熊本ラーメン館 味千拉麺×桂花拉麺 半道橋店
住所 福岡県福岡市博多区半道橋2−6−29
時間 11:00~22:00(LO21:45)
休日 元旦(臨時休業の場合あり)
Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.
▼15年ぶりだな
▼麺はストレート
▼ラーメンといえば餃子(330円)!
▼半道橋店で食べられる桂花ラーメン(700円)。こちらは中国っぽい一杯