日本の夏の風物詩のひとつ、かき氷。最近はかき氷の概念を覆すような斬新なメニューも少なくない。名古屋「あんどりゅ。」のてらみすや、東京・笹塚「シロッポ」のもものカルボナーラなど、見た目にインパクトがあり、味も斬新だ。

しかしたまには、伝統的なかき氷を食べたい。そんな時には東京・西荻窪の「甘いっ子」に行くと良いだろう。ここは昭和40年から続く、老舗甘味処。宇治金時やいちごミルク、みぞれやカルピスなど、昭和を感じさせる懐かしの味に出会うことができる。

・隠れたグルメの街

お店はJR西荻窪駅南口から徒歩約5分。西荻窪とは面白い街で、街の規模はそれほど大きくないのだが、個性豊かなお店がアチコチにある。隠れたグルメの街と言ってもいいだろう。ここ、甘いっ子も、グルメサイトで評価の高いお店のひとつだ。メニューを見ると、昔ながらの甘味が取り揃えられている。

・創業約50年の老舗

しるこ・ぜんざい・あんみつ・みつまめ。これらをそろえたお店は都内でも本当に少なくなってきている。すでに創業約50年の甘いっ子は、日本の伝統的な甘味を今も守っているのだ。これからもそれを貫いていって欲しい。

さて、注文するのは、暑い日にはご馳走のかき氷だ。いちごミルクに粒あんと白玉を加えた、いわゆる全部乗せ! 1080円である。

キター!! 白と赤のエクスタシーッ! いちごシロップと練乳のコントラストが美しい。それに加えて、白玉と粒あんの艶やかに輝いて見える。これはウマいに決まっている!

・いちごとミルクで十分にウマい

長めのスプーンでひとつすくって、口に放り込むと、柔らかないちごの酸味と甘さが粉雪のように口のなかに静かに溶ける。氷は天然のものを使っているのだろうか、トゲトゲしさが一切ない。いちごと氷の食感を包み込むように、練乳の甘さがその後を追ってくる。これだけでも十分に美味!

・和の甘味のバランス

これに何も加えるものはないはずである。いちごと氷、練乳の均衡は完ぺきなのだから。しかしそこに粒あんが加わると、また新たな甘さのベクトルが生まれて、美味しさがスパークするようだ。ほっくりとした甘さの小豆の口当たりが、氷の存在感を引き立てているように感じる。この味のバランスは洋菓子ではきっと出せない類のものだろう。

伝統を静かに守るお店、甘いっ子。世の中の流行が移り変わっても、このまま日本の甘味の味を守り続けて欲しいと願う。

・今回訪問した店舗の情報

店名 甘いっ子
住所 東京都杉並区西荻南2-20-4
営業時間 11:00~18:00
定休日 月曜日(不定期休みあり)

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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