同じ日本とは言え、関東と関西は言葉も食べ物も全然違う。中でも、うどん・そばに使用するつゆの色の違いは有名だ。関西は薄く、関東に近づけば近づくほど濃くなる。これは決して味が薄くなっているわけではなく、だしの違いや醤油の割合などがそうさせているようだ。

大阪出身の私(中澤)は、やはり関西風のつゆの方が馴染み深い。たまに、猛烈に関西風のつゆが懐かしくなることがあるのだ。そんな私が東京で脱帽したのが、旗の台『だし家』のつゆである。思わず、つゆを飲んだ後、「ほぉ……」と感嘆のため息を漏らしてしまった

・高級住宅街にある高コスパ立ちそば屋

ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する「立ちそば放浪記」。というわけで今回は、東京・旗の台だ。お洒落なデザインの家が建ち並び、高級感を漂わせるこの街。そんな旗の台駅の東口の目の前にある高コスパ立ちそば屋が『だし家』である。

・オススメのメニュー

店頭に貼り付けられたメニューの中に、雑誌で特集された記事の切り抜きを発見。すでに立ちそば通の中ではかなり有名な店のようである。記事によると、「しょうが天そば(税込330円)」がウマイらしい。さっそく、入店してしょうが天そばを注文。出口手前の椅子に腰かけた。

・白昼夢のような街とのんびりした店内

平日の昼下がり、天気は晴天。店の外は吹き抜ける風も光るようだ。夏はすぐそこまで来ている。ふと、カウンターから陽炎が立ち上った気がして振り向くと、それはしょうが天そばの湯気だった

・いただきます

美しく透き通るつゆは関西風。そこに花が咲いたように色を添えるしょうが天が食欲を刺激する。もう我慢できない! いただきます!!

ウマイ! ……が、正直言うと麺は普通の立ちそば屋とそんなに変わらない。柔らかめの食感で風味も普通だ。だが、おかしい。そば全体がめちゃくちゃウマイ。これは一体? その秘密はつゆにあった。つゆを飲んでみたところ……

ウンマァァァアアア! だしの風味が全面に出た甘さ控えめのつゆは、深いコクと濃厚さがありながら爽やか!! 色だけでなく味も透き通るように上品である。東京でこんなにウマイ関西風つゆを出す店があるなんて……脱帽だ。

・『だし家』と呼ぶにふさわしい

さらに、しょうが天をかじると、「ピリッ!」とした辛さが味の面でも花を添える。何気に、麺の味もつゆを殺さないベストな存在感である。これぞONE FOR ALL、ALL FOR ONE! うおおおお、箸が止まらねーーーーー!!

つゆを飲み干すと、思わずため息を漏らしてしまった。ほぉ……。こだわりのつゆはまさに『だし家』と呼ぶにふさわしい。駅から徒歩1秒のこの店は、電車を乗り継いでも行く価値がある。そば好きは要チェックだ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 だし家
住所 東京都品川区旗の台2−7−1
営業時間 月~金 6:15~21:30 / 土・祝日 6:15~翌20:00
定休日 日

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼しょうが天が解けてくると、さらにつゆがウマイ!

▼定食もウマそうだった