悲しいことだが、時の流れとともに “死語” は必ず誕生する。かつて隆盛を誇った「ナウい」や「アベック」も、今や完全に死語なのだ。どんなにイケイケのギャルだって、今さら「チョベリグ~♪」とは言わないだろう。だがしかし……。
使用しなくても、多くの死後は「聞いたことがある」ものが多いハズ。なぜなら死後は一瞬でもブレイクしたからこそ死語になるからだ。そんな中、最近の若者が聞いたこすらない死語があるという。それが「シャバい」だ。……って、それ自体が超シャバい!
・ヤンキー用語のひとつ
「シャバい」が流行したのは、おそらく1980年代後半から90年代にかけてだろう。時代的にはビーバップハイスクールが社会現象化した “ヤンキーど真ん中世代” に当たる時期で、当然「シャバい」もヤンキーたちが多用した言葉である。
私(P.K.サンジュン)はヤンキー世代より少し下なので「シャバい」をそこまで活用した記憶はないが、リーゼント系、もしくはパンチパーマ系の先輩たちは頻繁に「シャバい」を使用していた。
さてその語源だが、シャバいの “シャバ” は「シャバの空気を吸う」の娑婆(しゃば)に由来すると推測される。当時はヤンキー全盛期のため「不良じゃない奴ら」→「シャバの奴ら」→「普通の奴ら」……的に変換されたのだろう(ヤバいが変化したなど諸説あり)。
意味としては「冴えない」「ダサい」「根性なし」など……、当時の男たちが最も言われたくない言葉の代表格であり、万が一にもドヤンキーに「シャバい」なんて発してしまったら、死を覚悟する必要があったほどの重みあるワードだ。
・「シャバ僧」とは
また、シャバい小僧、略して「シャバ僧」もかなりメジャーな言葉だった。私は20歳くらいを超えてから、ビーバップ世代の先輩たちからよく「このシャバ僧が!」とからかわれたものである。「シャバい」と「シャバ僧」はセットで覚えておくといいハズだ。
ちなみに、当編集部のあひるねこ(31歳)は「シャバい」を知らずに生きてきたシャバ僧である。なのでどれだけ「シャバい!」「シェベェェエエエ!!」「シャバ僧(笑)」と言われても、なんとも思わないそうだ。ハッキリ言って、そのこと自体がすでにシャバい。
というわけで、もし今日初めて「シャバい」の意味を知ったという人は、積極的に「シャバい」を活用してみよう。ただし、ど真ん中の世代の人にシャバいと言って、本気でキレられても責任は取れないぞ。
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼シャバすぎる……。