もはや今の世の中は20センチだ。いきなり何を言い出したんだと思うかもしれないが、もしもこの記事をスマホで見ていたとしたら、その距離は約20センチ。仮にスマホではなくパソコンだったとしても、だいたい目からの距離は40センチくらいかと思われる。
そして、ふと現実の世界に目をやると、よく遠くが見えなかったりする。こんなに世界は広いのに、至近距離ばかりを凝視しているからだ。そして、そんな生活をしていると、当然ながら目は疲れる。これは良くない。こんな世の中、絶対に良くない!!
──と思ったが、よくよく考えてみれば、はるか昔から、わりと至近距離を凝視していた気もする。たとえばゲーム。よく母親から「もっとテレビから離れなさい!」と怒られたものだが、離れたところで目を酷使していたことに変わりはない。
なぜこんな話をし始めたのかというと、まいどおなじみ “常に何かをたくらんでいる男” こと「じゅん君」が、なかなか興味深い質問をしてきたからである。
じゅん「羽鳥さん、これまでの人生の中で、もっとも “目を酷使したなァ〜と思う時” って、何をしていた時ですか?」
ほう……。思い返せば、いろいろある。まさに今、こうしてパソコンに向かって記事を書いている時かもしれないが、漫画を描く時も相当ヤバイ。画像加工のアルバイトをしていたときも、目が血走るほど酷使していた。だがしかし……
はとり「いろいろあるけど、パッと思いつくのは、やっぱり昔、ゲームばかりしていた頃かなぁ。おれ、ゲーマーだったから。特に0コンマ1秒を争うレベルの、シビアなレースゲームをプレイしていた時かも」
そう私が答えると、じゅん君は「それでは、そのレースゲームを久々にプレイしてみてください」と言う。しかも、「動画も撮っておいてください」と言う。しかし「ゲーム画面は撮影しないでください」と言う。なんなんだ。一体何をたくらんでいるんだ。
しかし、言われた通りに撮影し、動画を確認してみると……
まずキモい!! ていうか目つきが悪い! よく見ると、ほとんどまばたきしていない! しかも目ン玉がキュッキュと動いている!! これは完全に目を酷使……!!
──ハッ! そうか! そーゆーこと……つまり「もっと目を大切にしなきゃダメだぞ」ということを私に思い知らせるために、じゅん君は自撮りを命じたのか……と思いきや、そうではなかった。じゅん君は、私にサプリのようなモノを手渡して、
じゅん「おつかれさまです。これを飲んで目の疲労感を緩和してくださいね」
と優しく笑った。彼が私にくれたのは『スマホえんきん』なるサプリであり、真に伝えたかったこと(アピりたかったこと)は──
じゅん「スマホ労眼って知ってます? 視界がボヤけたり、かすんだりする状態のことを言うらしく、最近の30代とかに多いらしいですよ。スマホ労眼には『スマホえんきん』がオススメらしいので、羽鳥さんに伝えておこうかと……」
──らしい。
究極の解決策は「テレビもスマホもパソコンも見ないこと」なのかもしれないが、そんなの現実的にも仕事的にも難しい。せめて今、簡単にできることは、このようなサプリで目の疲れを緩和することなのかもしれない。すべては、この広い世界を見るために。