佐川急便のドライバーが、配達物を地面に叩きつけたり、台車をぶん投げたりする様子が収められた動画が物議を呼んでいる。荷物の送り主や製造者の気持ちを考えるとあってはならないことだが、昔から都市伝説的に「配達ドライバーは荷物の扱いが雑」というのは耳にする話だ。
本当にドライバーの荷物の扱いは雑なのか? 配達物を地面に叩きつけたりするような事案は日常的に行われているのか? 今回は約10年前まで佐川急便でドライバーを務めていた元ドライバーに、真相を直撃してみたのでご覧いただきたい。
・佐川歴8年の元ドライバー
話を聞かせてくれたのは神奈川県在住のSさん(30代後半・男性)である。彼は新宿区の担当ドライバーとして8年間佐川急便に勤めており、今から10年ほど前に退職している。20代のほぼ全てを佐川急便に捧げた肉体派で、一時期は有明の社員寮でも暮らしていたそうだ。
Sさんは現在、佐川急便とは全く関係ない仕事に就いているが、今回の件について話を聞いてみることにした。彼は「俺がいた頃の話で良ければ」と前置きしたうえで、以下のように答えてくれたぞ。
──佐川急便の配達員の動画が話題になっていますが、昔からそうでしたか?
「まあ、たまにあまりの忙しさにキレてしたことはある。でも洋服ね」
──なるほど。やはり佐川ならではの体育会系のノリって感じなのでしょうか?
「それは人それぞれじゃない?」
──壊れないものを選んで投げていたということでしょうか?
「俺はね(選んでた)」
──ちなみに中身が破損したらドライバーの責任になるのでしょうか?
「もちろん。モノによっては始末書騒ぎ。俺も1回書いたことがあるよ。それと減給ね」
──減給ですか……きついですね。では普段は丁寧にやってるけど、人によってはあまりの忙しさにキレてやってる場合もあるってことですね?
「本当にドライバー次第だよ。というか、こういうご時世だから全体的にマナーもだいぶ良くなってるんじゃない? 昔は荷物が空を飛んでいることも……まああったけな?」
・基本はドライバー次第
Sさんによると、荷物の扱いはドライバー次第ということで、佐川急便の社風として雑に扱っているということはないようだ。荷物の破損については、始末書だけではなく減給まであるとのことだったから、確かにドライバーもわざわざ荷物を破壊するような扱いはしないと推測される。
とはいえ、荷物を地面に叩きつけるなどの行為は決して許されるものではない。今後の佐川急便の対応や改善策が気になるところだ。
参考リンク:佐川急便
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼こちらが内容の一部。記者の言葉がフランクなのは、彼とは20年来の友達だからだ。