【本人降臨】『THE ALFEE』の高見沢俊彦さんに「ギターとは何か?」聞いてみた / 答えが王子すぎて夢見る乙女になるレベル!!(その2)
高見沢さんのギターコレクションは、ヴィンテージからアーティストモデル、フェンダーからESPまで多岐にわたる。コンサートツアーでは、彼のギターだけで、11トントラックを5台使う大所帯になるという。そんな大量のギターの中で使用する1本を選ぶ基準とは何なのだろうか。
──曲で使うギターは何を基準に選んでいるんでしょうか?
高見沢さん「基本は曲に合わせて音色で選んでる。だけど、ツアーも10本くらいコンサートをやると、自分の中で刺激を求めたいからこのツアーで使ってないギターに変えたりもするよ。あと、会場によって音の鳴りが違うから、ストラト系とかレスポール系とかギターの性質を考えて変えたりもするね」
──すべてのギターの個性を覚えているんですか?
高見沢さん「大体は覚えてるよ。レスポール、ストラトって大体個性が分かりやすいのと、カスタムショップとビンテージでも違うからね。あと、ESPのヤツは自分で作ってるから、大体音のニュアンスは把握してる」
──コレクションを整理してて「こんなん持ってたんだ!?」っていうこととか……
高見沢さん「それはあるあるある! 去年、500本を記念して持ってるギターの本(高見沢俊彦 Guitar Collection 500)を出したんだけど、それ見てたらこんなのあったんだ……って(笑)そういう時はうれしいね。隠し財宝を見つけたみたいで」
──アーティストモデルのギターもたくさん所持されていますね。ジョン・サイクス(洋楽ハードロックギタリスト)は僕も大好きです。
高見沢さん「カッコいいよね! 俺、ジョン・サイクスが加入した『シン・リジー』(80年代ハードロックバンド)のライブを渋谷公会堂で見たことあんの。その時、金髪を振り乱してブラックビューティー(ジョン・サイクスのギター)を弾く姿が衝撃でさ。誰かのモデル買う時ってそういう憧れっていうか、アーティストに対するリスペクトがあるかもしれない」
──最近のギタリストで気になっている人はいますか?
高見沢さん「アメリカの『ヴィンテージ・トラブル』っていうバンドのギタリストかな。曲調は60年代っぽい古い感じなんだけど、ちゃんと今風になってるんだよね。ウマい人っていくらでもいるけど、個性がある人って少ない。カッティング1つでも、アイツがギター弾いてるってわかるようなオリジナリティーがある人にハマってるかな」
──『ヴィンテージ・トラブル』はバンド然としたバンドですが、世界ではEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)が流行ってギターレスのバンドも多く、日本の若いバンドでギターソロを弾くギタリストってだいぶ少なくなった気がします。こういった現状をどう思いますか?
高見沢さん「まあ、表現方法の違いだから別に悪いとは思ってないよ。ただ、俺はギターを持ってる以上はソロを弾いてほしい。そこに個性って出るからさ。でも、ホントないよね」
──なぜ、ギターヒーローを目指す人がいなくなったんでしょうね?
高見沢さん「個人的には、日本の音楽的状況が熟成してきた証拠のようにも思ってるんだよね。昔、俺たちの頃は洋楽しか見本がなくて、そこには必ずギターソロがあった。
でも、今の若い人たちは日本のアーティストに影響を受けてたりする。外国を見本にしなくても良いくらいJ POPにオリジナリティーが確立されたってことは、逆に見て良いことだとも思ってるんだよね」
──なるほど。これからのギタリストってどうあるべきだと思いますか?
高見沢さん「やっぱりギタリストである以上、ソロは弾いてほしいね。個性的なヤツ!」
──(笑)! 最後に、高見沢さんにとってギターとは何ですか?
高見沢さん「友達でありパートナーであり……“夢” だね。自分の中での1つの夢の形。そういった夢をステージでいろんな人に見せてあげたい。だから、エンジェルギターとか変な形のギターとかもいっぱい使うけど、『ギターがこんな形してるんだ!』みたいなワクワク感も味わってほしいな」
以上である! ギターについて語り始めると止まらない高見沢さん。その目は少年のようにキラキラしており、いまだにギターキッズの心を忘れていないようだった。
なお、高見沢さんは今夏8月17日~19日の3日間、ビルボードライブ東京でソロライブ「真夏の夜の夢:Takamiy3Days」を開催予定だ。今回のライブは、場所の雰囲気にも合わせて大人でロマンチックなイメージで作っているという。一体どんな夢を見せてくれるのか? 高見沢俊彦ファンは、見逃せない内容になること間違いなしだろう。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.