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東京の観光スポットのひとつに、上野・アメ横が挙げられるだろう。古き良き日本の面影を残す浅草と並んで、上野は人気のスポットだ。近年は中国人観光客が多く訪れ、買い物を楽しんでいるようだ。そんなアメ横の思わぬところに、昭和の遺産が隠されている。

昔から変わらない飲食店の看板だったり、路地裏の注意書きだったり。そのなかには、今の若い世代には理解できないものもあるだろう。たとえば、コーヒーショップギャランの店内に刻まれたお知らせもそのひとつ。そこには次のように書いてある。携帯電話が当たり前の時代に生まれると、この意味がさっぱりわからないのでは?

・コーヒーショップギャランのお知らせ

「お知らせ 従業員不足のため電話は一、二回のお取り次ぎはいたしますが、数回の(事務所がわり)のお取り次ぎは誠に申し訳ありませんが、固くお断り致します。 店長」

・出先を連絡先に

若い世代の人には、理解できないのではないだろうか。これは、携帯電話が普及していない頃からある注意書きである。携帯電話がないから、外出をすると連絡が取れなくなってしまう。そこで会社から出かける時に、「何かあったらギャランに電話して」などと会社の者に指示しておけば、連絡が取り易くなるということだ。

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・外回りで怠ける営業マン

しかし何度も何度も電話を取り次いでいたのでは、お店の人も仕事にならないので、電話取り次ぎは1~2回程度にとどめて欲しいという訳。今なら通話しなくても、メールやLINEで要件を伝えることができるのだが、その昔は相手の所在を確かめるのも苦労していた。それをいいことに、外回りで怠けている営業マンもいたようだが。まあ、今でもスマホの電源を切って、所在を掴めなくする人もいるかもしれないけど……。

ちなみにギャランの注意書きは、壁に刻まれているため、そのまま残っている。できればこれから先も、ずっとこのまま残しておいて欲しい。通信手段がいかに進化したのか、そして現代がいかに便利になったのかを、思い出させてくれるから。

・今回訪問した店舗の情報

店名 コーヒーショップギャラン
住所 東京都台東区上野6丁目14-4
営業時間 8:00~23:00
定休日 なし

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼アメ横で見つけた昭和。ギャラン近くのゲーセンで見つけた筐体。なんと100円50クレジットでスゴイ! めっちゃ遊べる
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▼東京都の電話番号が、7桁だった時の看板。昔は番号を覚えるのも楽だったろうな~
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