まるでアジアの市場のような雰囲気が漂う上野アメ横。中でも圧倒的に日本ではない空気感に支配されているのが「アメ横センタービル地下食品街」だ。入り口の階段を降りるとそこは別世界。豚の頭や鴨や亀が食材として丸々置いていたりする。

そんなアメ横地下食品街で、“謎の醤油らしきブツ” が売られていた。英語や漢字ではない謎の文字列とアジアのボンボン的な子供のイラストが描かれたパッケージ。500mlのペットボトルで中身はサラサラの黒い液体だ。これもう買うしかないだろ。刺身にかけるしかないだろ

・ブツの詳細

ブツが売られていたのは『野澤屋』という店。世界の食品を取り扱っている店のようである。醤油らしきブツは950円だった

さっそく、家に持ち帰り観察してみたが、見れば見るほどに何語か分からない。パッケージ表に書かれた「Tam Thai Tu -NHAT CA-」が商品名だろうか? どうやら、『CHIN – SU FOODS』という会社の商品のようである。

・MADE IN

その時ふとひらめいた。「原産国を見ればどこのブツかが分かるのではないか?」と。そうだ! 「MADE IN~」くらいは書かれてるだろ普通!! 裏ジャケを確認してみたところ……


書かれてねェェェエエエ

情報は謎言語で記載されており「MADE IN~」が見当たらない。くっ、私が愚かだった。

しかし、それでもできる限り確認したところ、英語で「Exclusively for sale in Vietnam(ベトナムでの独占販売)」という記載を発見。どうやらベトナムで販売されているブツのようだ。


ベトナム語を知らない私にとって、外見からの分析はここまでが限界だろう。そこでフタを開けてみると……

匂いのクセ……!


例えるなら海苔の佃煮っぽい甘い香り。ただしその匂いは濃厚で、フタを開けるとちょっと離れていてもほんのり香るレベル。特に嫌な匂いではないのだが、醤油だとするとかなり匂いが強いと思う。

これは本当に醤油なのだろうか? そう言えば「soy sauce」的な記載が見当たらないような気も……いや、おそらくベトナム語で書かれているに違いない。私が分からないだけで書かれているのだ。きっと。うんうんそうに違いない。

・醤油と言えば刺身だ

ならば、刺身につけて食べてみようじゃないか。古今東西、醤油と刺身は切っても切り離せない名コンビ。雷神と風神、虎と龍、小堺一機とライオンちゃん、鏑木・T・虎徹とバーナビー・ブルックスJr. である

そこでライフで安いマグロの切り身を買ってきた。安いものにしたのは、脂が乗っているとブツ本来の味が分からない気がしたからだ。では、いただきます! パクリ!!


こ、これは……


ゲ……


激・ウ・マ

甘辛い味がめちゃくちゃマグロに合っている!! まるで、マグロ自体が1ランク上がったかのように豊潤な甘みと旨みが口の中に広がった!

前述した匂いの強さもマグロにつけて食べてみると全く邪魔にならない。自分でも信じられないがマジでウメェェェエエエッ!!

そこで、「Tam Thai Tu -NHAT CA-」だけを味わってみると、濃厚な甘みのある醤油味だった。例えるなら溜まり醤油みたいな味。刺身に合うはずである。この組み合わせはしばらくハマってしまいそうだ。

・謎調味料で世界の広さを感じる

ガチの海外オーラの割に日本人的にも親しみやすい味だった「Tam Thai Tu -NHAT CA-」。なお、知り合いのベトナム人留学生に聞いてみたところ、『Chin Su(チンスー)』はベトナムでは知らない人がいないほど有名なソース会社で、「Tam Thai Tu(タムタイトゥ)」はメガヒット商品なのだそうだ。

そんなタムタイトゥをはじめ、アメ横センタービル地下食品街は、日本であまり見かけないような調味料の宝庫。少し冒険をしたい時は上野の地下に広がる異世界に行ってみよう。ズラーッと並ぶ謎調味料の壁は見るだけでも世界の広さを感じられるはずだ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 アメ横センタービル地下食品街
住所 東京都台東区上野4丁目7番8号B1
営業時間 10:00~20:00
定休日 毎月第3水曜日(12月無休)

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼調味料で世界の広さを感じる