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夏が近づいてきているのか、ポカポカ陽気な今日このごろ。気温の上昇に比例するように、女性のスカートの丈も上昇していく季節になってきた。スカートの丈が短くなるということは、物理的にスカートの下にはいている下着(パンツ・ショーツ・パンティー)も見えやすくなる。つまるところ、パンツの季節がやってきたのだ。

しかしながら、パンツを見られるのは恥ずかしい。そこで便利なのが通称『見せパン』と呼ばれる “見せても良いパンツ” であるが、その筋の専門家は「非常に危険。今すぐ脱ぐべき」と警鐘を鳴らす。一体ナニが危険なのか? 詳しく話を聞いてみた。

・パンツ界のマエストロ(6カ月ぶり2回目の登場

「脱見せパン」を説くのは、パンツ愛好家の「白い三角定規」さん(36)。変態的なパンツ者ではなく、純粋に “パンツ” が好きすぎるだけの常識的な紳士である。

氏のパンツへの造詣はマリアナ海溝よりも深く、男モノ女モノ問わず、常に “史上最強のパンツとは何か” を模索し続けているため、パンツ界のマエストロと呼ばれることも。それはさておき……

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──見せパンの何が危険なのでしょう?

「まず、パンツを “見せても良い” という概念がそもそも間違っています。私の思うパンツの定義は “見せてはダメ” であり、この掟(ルール)を最初から守ろうとしないということは、まぎれもなくギルティ(罪)なのです」

──さすがはパンツ原理主義者。思想が過激ですね。

「なぜ罪なのかを説明しましょう。よく “女子力” という言葉がありますが、私から言わせてもらえば、見せパンをはいている女性の女子力なんて限りなく0(ゼロ)に近いです。

なぜならば、見せパンをはくことにより、「パンツが見られたら恥ずかしい」という “恥じらい” が皆無になるからです。パンツへの恥じらいがなくなったら、自然と行動もガサツになります。堂々とパンツを見せる女性は好きですか?」

──えっ、え、いや……い、いや、わりと好……

「嫌でしょう。どうぞどうぞ見てください。私のパンツを見て下さい! そこに恥じらいなんてありません。かがんでモノを拾う時もオシリ丸出し、地べたに座る時も大股開き、そんな女性、どう思いますか? 女子力、ありますか?」 

──恥じらいがあったほうが萌えますね。

「俗に “江戸しぐさ” という言葉もありますが、女性の魅力が一気に増す「パンツしぐさ(パンツを見えないようにするしぐさ)」を最初から放棄しているという時点で、美学的にもギルティ(罪)なのです」

──パンツしぐさ! そんなしぐさがあったんですか!!

「知らないのですか? 女性だけではなく、男性でも “パンツしぐさ” を体験することができますよ? 旅館に行って浴衣を着た時、ノーパンで過ごしてみなさい。

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廊下を歩くときも、お夜食の時に地べたに座ってあぐらを組むときも、小太刀が見えないように「ビシッ」と襟(主にシモの襟)を正すはず。まさに武士です。大股開きであぐらなんて、ポロリどころか丸出しになるので大問題になりますよ」

──たしかに浴衣でノーパンは「ビシッ」とした気持ちになれます。

「そうでしょう? つまるところ、“見られてはいけないモノ” が “行動によっては見られてしまう恐れある状態” にありつつ、“恥ずかしいので絶対に見られてなるものか” と思う “恥じらいの心” が美しいのです。それが色気に繋がるのです」

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──それこそが大和撫子であると。

「まさにです。男性諸君であれば誰しもが、和モノと洋モノを見比べた結果、一体何が大和撫子(やまとなでしこ)であるのか過去に嫌というほど勉強していると思います。洋モノに “恥じらい” はありましたか? ないでしょう?」

──オゥ、オゥ、オゥイエー、という感じで。

「シーハーシーハー、オゥイエス。もしも見せパン文化に染まったら、日本も洋モノの世界になりますよ。こんな危険なことありますか! “見せパンの下には本物パンツをはいているではないか” という意見は聞き入れません。なぜならば、見せパンによって、パンツに慣れてしまうからです。価値観の崩壊です。

パンツに慣れてしまったら、もう “パンチラ” という思想すら消えてしまう。パンツを見られて恥ずかしいという概念もなくなる。パンツの価値もゼロに等しくなる。ジンバブエの通貨のように。これが恐怖のパンツのハイパーインフレです

──パンツのハイパーインフレ!!

「私は以前、“パンチラは、ふと日常に舞い降りる非日常、きまぐれな神様からのプレゼント” と説きました。風の強い今の時期、よく突風パンチラが目撃されますが、それもひとつの「神風(かみかぜ)」と言えましょう」

──非日常だから価値があるということですね。

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「仮に白いパンチラを目撃したら……わずかな白い光が見えるだけで「今日は良い日だな」と元気が出るし、生きる希望もわいてくる。まさに “希望の光” です。そんな希望の光をさえぎる1枚の邪布(じゃふ)、それが見せパンなのです」

──邪布(じゃふ)! つ、つまり、神への冒涜であると?

「神だけではなく、武士道にも反します。パンツだと思っていたのに、実は見せパンだった……というのは、人としてどうかと……。仮に侍(サムライ)に例えるならば、生きるか死ぬかの真剣勝負なのに、実は相手は防弾(防刀)チョッキを着ていた……みたいなものです」

──それはズルい!

「こういう考え方もあります。突然、女性の目の前で男性が倒れ、あと数十秒で死んでしまう危機的状況。地面にズルズルと倒れながら、その人が最期に見上げた光景が “見せパン” だったら、「……(泣)」となり、死んでも死にきれません。

もしも最期に見上げた先にある光が、見せパンではない純粋なパンツ(白)だったら、「し、白だった……(恍惚)」となり、しあわせな気持ちで天に召されていくはずです。そんな生死の観点からみても、見せパンをはくことは罪なのです」

──その後も白い三角定規氏は、次から次へと「見せパンをはいてはいけない理由」を語り続けていたが、キリがないので割愛したい。なお、彼は最後に「パンツは生きている」と意味深なことも述べていた。いつの日か、その話も聞いてみようと思う。

協力:パンツマエストロ・白い三角定規
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.