実家暮らしでない人は毎月家賃を払っていると思うが、生活費のうち大きな割合を占める家賃を、できるだけ安くしたいと思っている人は多いだろう。
特に、不動産が高騰するサンフランシスコでは家賃の高さがニューヨーク並みで、ある男性は出費を抑えるために、友人宅に小さな押し入れのようなスペースを作り、400ドル(約4万3500円)で借りていたというのだ。しかし、その箱のような空間がネットで話題になってしまったがために、建築基準法違反を理由に、なんと、立ち退きを食らうハメになってしまったというのである!
・箱のようなスペースを作って住んでいた男性
サンフランシスコに住むイラストレーター、ピーター・バーコウィッツさんは、友人のアパートのリビングルームに、ベニヤ板を使って3平米弱の押し入れのようなスペースを作り、家賃400ドルを払って暮らしていた。畳2帖が3.3平米なので、彼が住んでいたスペースは、畳2帖の部屋よりも小さいことになる。
彼が ‟ポッド” と呼ぶスペースは天井が低く箱のように見えるが、ちゃんとドアもついている。また、マットレスが敷かれたポッドにはノートパソコンが置ける折り畳み式テーブルもあり、頭上にはちょっとした物が置ける棚が設置してある。
・「ポッドを作りますよ!」とコミュニティサイトに掲載したところ……
筆者が住んでいる大阪では、中心街以外なら4万3500円も払えば、バス・トイレとキッチン付きの6~8帖のワンルームマンションが借りられる。それを考えると、サンフランシスコの賃貸事情は想像以上に厳しいと言えるだろう。
「生活するために必要な物は揃っている」と言うピーターさんは、同じ悩みを抱える人を助けるために、地域別クラシファイド ‟Craigslist:クレイグズリスト” に、「ポッドを作ります」との広告を掲載したのだ。
・市当局から建築基準法違反に当たると警告が!
すると、彼が作ったポッドが瞬く間に話題となり、ネットで拡散! ところが、ポッド制作のオファーが来る代わりに市当局から連絡があり、ポッドが耐火建築物ではないなどの理由で、建築基準法違反に当たると警告を受けてしまったのである!
その後、仕方なくポッドを取り壊してアパートを立ち退くことになったピーターさんは、次は、キャンピングカーに住むことを検討しているそうだ。
サンフランシスコの中級ワンベッドルームの家賃は月3500ドル(約38万円)というから、ポッドを作って住みたくなる心境も理解できてしまいそうだ。きっと、クリエイティブな彼のことだけに、建築基準法違反にならない範囲で、再び奇想天外な住居を作ってしまうのではないだろうか。
参照元:Facebook @Peter Berkowitz、Mashable、Hoodline(英語)
執筆:Nekolas
▼マットレスと棚やテーブルもあるけど、ちょっと独房チック!?