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【本人降臨】『エアロスミス』のギタリスト、ジョー・ペリーがネット上で質問を受付け! Q&A 30選がこれだ!!

2016年4月13日

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本日4月13日は「エアロスミスの日」! ということで今回はエアロスミスのギターリストであるジョー・ペリーさんの質疑応答をお伝えしたい。

海外サイト『Reddit』に降臨し、ネットユーザーから広く質問を受け付けたペリーさん。何から何までカッコいい彼はどんな質問を選び、どんな答えを返すのか……? Q&A 30選を見てみよう!

Q1:バンドをやっていて、最も嬉しかった瞬間は?
A1:初めて、僕たちの音楽を聴いてくれる人々がいることを実感したときかな。批判なんか物ともせず、僕たちを見てくれる。そんなファンに気付いたときには、どんなバンドだって興奮するはずだ。最初は友人に「ライブに来てくれ」とお願いしていたのに、いつの間にかライブ会場がお客さんでいっぱいになっている……。バンドをやっている上で、これほど嬉しいことはない。

Q2:これまでに会ったなかで、最も変わったファンは?
A2:ステージに義足を投げ込んだファンかな。ブラや靴下などステージ上には色々な物が投げ込まれるけれど、義足なんて初めてでメンバー全員が面食らってしまったよ。ファンが義足を投げ込んだのは、バンドに直接会うための口実でもあったんだ。「僕の義足を返してくれますか?」って楽屋を訪ねられるからね。もちろん彼に会ったけれど、なかなか変わった体験だったな。

Q3:ステージ上で喝采(かっさい)を浴びるのは、どんな気分がするものですか?
A3:観客から拍手喝采(かっさい)を浴びれば、アドレナリンが出て演奏に熱が入り、より良いライブを行うことができる。観客の歓声が素晴らしいライブを生み出すんだ。もしも観客の反応がなければ、全く盛り上がらない。

だから毎晩毎晩、同じ曲を演奏できているとも言える。観客の声を耳にすると、バンドを始めたばかりの頃に戻るんだ。ちょっと陳腐に聞こえるけれど、本当のことさ。

Q4:この40年間で、素晴らしいライブを数えきれないほど行っていますね。なのにライブアルバムはあまり発表されていない気がします。なぜですか?
A4:ツアーとスタジオアルバムの制作で、ずっと忙しかったからだと思う。日々バンドを続けながら、僕たちはいつだって明日のことを考えているんだ。僕たちは、“ただのバンド” ではない。半年レコーディングをして、ツアーをやって、その後の5年間メンバーと顔をあわせたりしないようなバンドではなく、生きている本物のバンドだ。

もちろんこれまでのライブは記録に残しているし、素晴らしい瞬間もあったから、ライブアルバム用に曲を選ぶのは簡単だ。けれども20年前に交わした Sony との契約がややこしくてね。フリーになったら、もっとライブアルバムを発表できると思うよ。

Q5:これまでに何本のギターを叩き壊してきましたか?
A5:多分、ワザと叩き壊したのは15〜20本くらいかな。アクシデントが数本。ときどき自分のエネルギーをコントロールできなくて、ギターを粉々にしまうことがある。けれども、大好きなギターをパフォーマンスのためだけに壊したくはないんだ。

Q6:20年前の自分にどんな言葉をかけたいですか?
A6:これまで僕たちがやってきた全てのことが、次に繋がってきた。それぞれの出来事が込み入りすぎているから、1つ変えてしまえば、他がどんどん変わってしまう。もちろん素晴らしい体験ばかりではないけれど、悪いことが良いことに繋がっていたりする。バランスが全てなんだ。より広い視野で見たとき、過去の自分へのアドバイスが良いことだとは思えないな。

Q7:好きなピザの具は何ですか?
A7:僕の食品会社が出している『Boneyard Brew(ボーニーヤード・ブルー)』という辛いソース。ピザにかけると美味しいんだ。

Q8:薬物に手を出したことを後悔していますか?
A8:たしかにバンドのキャリアを傷つけたけれど、ある種の経験を得ることもできた。長い目で見ると、バンドも自分たちの立場を見つめ直せたと思うんだ。もしも僕がバンドを一時脱退していなければ、物事は今のような形にはならなかったのかもしれないからね。バンドや自分の身を滅ぼさなくて良かったと思っている。結構ギリギリのところまで行ったからね。

Q9:現在の音楽を取り巻く環境をどう思いますか?
A9:人気スターが存在する限り、ライブの熱気は消えないはずだ。しかし、音楽を聴くスタイルが変わりつつある今の状況が、アーティストの新曲をリリースする方法に影響を与えているとは思う。僕たちはある時代の終わりを目の当たりにしながら、新しい時代を迎えてもいる。しかし今でも、良い音楽はたくさん存在している。

……さらなる質疑応答は、次ページ(その2)へ GO!

参照元:Reddit[1][2](英語)
執筆:小千谷サチ
イラスト:稲葉翔子

【本人降臨】『エアロスミス』のギタリスト、ジョー・ペリーがネット上で質問を受付け! Q&A 30選がこれだ!!

Q10:素晴らしい体をしていますね。鍛えているんですか?
A10:昔、よくジムに通っていたよ。初めて薬物を断ったとき、ジムに行き始めたんだ。ツアー中には、ホテルを抜け出してジムに行くついでに、街の雰囲気を感じたりしていた。自分たちのライフスタイルを変えて、バンドもまた上手くいくようになってから、フィットネスは趣味やスポーツのような存在になっていった。自分の体に気を使い始めたのは、30代後半あたりからかな。

ほとんどの病気が食習慣によって引き起こされるから、健康的な食生活も大切だ。この30年間、僕はフレンチフライを食べていないんだ。ツアー中のエクササイズは、2時間ステージに立つことで十分だけどね。

Q11:ライブ中に起こった、1番恥ずかしかった出来事は何ですか?
A11:破れたズボンに気付けなかったことが、恥ずかしかったな。気付けば、ガムテープでも貼っておくんだけど。まあステージ上が暑くって何度もズボンを脱いできたから、実はあんまり気にしてはいない。そもそも、ステージ上では何も恥ずかしくない。それもショーの一部で、全てがロックだ。

調整したギターとアンプ、互いに信頼し合っているメンバーと一緒にステージに上がった後は、全てなすがままだ。トラブルだって起こるけれど、それもライブ。むしろ何かが起こることを待ってすらいるよ。

▼こちらがペリーさんのズボンが破れた場面

Q12:ベースラインが好きな曲は?
A12:ザ・フーの『マイ・ジェネレーション』。ジョン・エントウィッスルが披露するベースソロが、ずば抜けて素晴らしいね。 “The Ox(雄牛)” と呼ばれるほど、彼のベースサウンドはとても重厚だったんだ。あれは歴史に残るベースソロだったし、ベースプレイヤーへに対するハードルもグッと上げられてしまった感じがする。

Q13:若い頃、大好きだったギタリストは誰ですか?
A13:ジェフ・ベック。彼のライブを見て以来、今でもジェフ・ベックは僕の大好きなギタリストだ。でもジミ・ヘンドリックスは別格で、彼に匹敵するほどのギタリストは未だに現れていない。

Q14:趣味はなんですか?
A14:時間があるときは、バイクをいじるのが好きだ。あと僕が所有する農場に行ったときは、農作業を手伝ったりする。ラジコン飛行機を組み立てたり、飛ばすのもいいね。ただ、あまり時間がないんだ。ツアー中にできる趣味でもないし。

Q15:ライブで演奏するのが好きな曲は何ですか?
A15:ヨーロッパにいたときは、『フリーダム・ファイター』を演奏した。世界情勢を考慮したり、メンバー同士が違った考え方を持っているから、バンドとして政治的なことには触れない決まりなんだ。でも僕は、あの曲の詩を書かずにはいられなかった。僕にとって大切なメッセージが込められていたから、ヨーロッパでもアメリカでも披露したんだ。

ギターの演奏が楽しいのは『地下室のドブねずみ』だ。終盤のセッションは素晴らしいし、演奏する度に変わるからね。

▼『地下室のドブねずみ』

Q16:好きな映画作品のトップ5は?
A16:『地獄の黙示録』、『イングロリアス・バスターズ』、『俺たちニュースキャスター』、『タラデガ・ナイト オーバルの狼』、『史上最大の作戦』。

Q17:スタジアム、クラブ、屋外の劇場など、どんな場所でのライブが好きですか?
A17:スタジアムでのライブは、素晴らしいし盛り上がる。しかし音響面ではベストとは言えないし、天気などの問題もある。もうちょっと小さな場所のほうがいいだろう。ドイツには6000人くらい入る、ライブに最適な施設があるんだ。音響にこだわり、古代ギリシャの円形競技場を元に、戦時中にヒトラーが建てたと言われている。あれほど音が素晴らしい場所は他にないよ。

けれども、300〜500人程度のクラブでのライブも最高に楽しい。音響がバッチリという訳ではないけれど、あの場のエネルギーこそがロックなんだ。

Q18:『カヴァティーナ』など、クラシックギターの難曲を演奏できますか?
A18:やろうと思えば演奏できるよ。実際、新しい曲を作るときはワーグナーやラヴェルなどのクラシックの名曲からインスピレーションを受けことも多い。ときには腰をすえて名曲を一つ一つ細かく見ていくんだ。色々と学ぶことができるからね。

▼こちらが『カヴァティーナ』。映画『ディア・ハンター』でも使われた。

Q19:家族が仲良くいられる秘けつは?
A19:パートナーの “親友” になることが重要だ。まずは最高の友人であること。そうすれば、後は自然と上手くいくさ。

Q20:ファンがビックリするような音楽を聴いたりしますか? ジャスティン・ビーバーとか……?
A20:ジャスティン・ビーバーの曲を聴いたりはしないな。彼の音楽は僕の好みではないけれど、それでもあの才能などには驚かされるね。僕は古い音楽が好きだから、いずれにせよファンがビックリすることはないだろうけど。

……残りの質疑応答は、次ページ(その3)で!!

参照元:Reddit[1][2](英語)
執筆:小千谷サチ
イラスト:稲葉翔子

【本人降臨】『エアロスミス』のギタリスト、ジョー・ペリーがネット上で質問を受付け! Q&A 30選がこれだ!!

Q21:ギターが上手くなりたい若者にアドバイスはありますか?
A21:いつもメトロノームやドラムマシンなんかを使って練習すること。どんな練習をしていても、気付かないうちに自分が演奏しやすいテンポやスピードになりがちだからだ。きっとドラムマシンなんかを使い始めると、それまでの演奏と全く違うことに驚いてしまうはずだ。

Q22:音楽のメロディは、全て出尽くしてしまったと思いますか?
A22:作品を作っているときに、新しいアイディアが飛び出してくることがよくある。その一方で「自分では最高傑作だと思う作品でも、他の人はどう思うかな?」と感じるときもある。けれども、エルヴィス・プレスリーの曲なんかも手がけた名作曲コンビ「ジェリー・リーバー&マイク・ストーラー」だって、同じ気持ちだったと思うんだ。自分たちが書いた曲を最高傑作だと思ったり、昔の曲の真似事だと感じたり。

メロディは無限に存在していると思うよ。創造的な部分を刺激して、これまでに曲なんか作ったことがないように振る舞えば、何かが出てくるんだ。まあ同時に、もう曲なんか作れないという気持ちにも何度もなったけれど。

Q23:ブラッド・ウィットフォードとはどんな関係なんですか?
A23:彼とはずっと良い関係が築けているよ。70年代にオリジナルのギタリストの代わりを探していたんだ。リードギターもできて、かつ僕とは違ったスタイルで演奏できる人物。ブラッドは適役だったよ。ステージ上では、あまり話したりしないけれどね。音楽の趣味も似ているんだ。彼とは千載一遇の出会いだった。

Q24:今後は世界のどこでライブをしてみたいですか?
A24:中国だ。音楽はジャンルを問わずに、世界中に何か良いものを広めてくれる気がするんだ。ヨーロッパや冷戦下の国々でライブを行ったとき、音楽が人々を結びつける場面を目の当たりにしてきた。中国やその周辺の地域でライブを行ってみたいよ。

Q25:一緒にツアーを回って、1番楽しかったバンドは?
A25:AC/DC かガンズ・アンド・ローゼズのどちらかだな。ライブの最初の5分で、彼らが大成することが分かったよ。70年代に僕たちのツアーのオープニングアクトを務めた AC/DC は、ただただ素晴らしかった。もうぶっ飛ばされるくらいスゴかった。以来、彼らにガッカリさせられたことは一度も無い。

またガンズ・アンド・ローゼズも同じように素晴らしかった。初アルバムが出たばかりで、知名度も高くなかった彼らが、ツアーが終わる頃には多くの観客を圧倒していた。そんな姿を目の当たりにして、とても興奮したものさ。

Q26:エアロスミスでギタリストをしていなかったら、今頃は何をやっていたと思いますか?
A26:世界をもっと良い場所にしようと、あらゆる場所を旅していただろう。海洋生物学者になっていたかもしれないし、探検家になっていたかもしれない。これまでずっと自然に興味を持ってきたから、世界を良くするための仕事に携わっているんじゃないかな。

Q27:1番初めにギターで弾けるようになった曲はなんですか?
A27:初めて曲らしい曲になったのは、ロイ・オービソンの『Sweet Dreaming Baby(スウィート・ドリーミング・ベイビー)』だったかな。とてもシンプルだけど、楽器を学ぶときはこういう曲から始めるものだ。

▼ロイ・オービソンの『Sweet Dreaming Baby(スウィート・ドリーミング・ベイビー)』

Q28:エアロスミスの歴史の中で、1つだけ変えられるとしたら何を変えますか?
A28:より多くのスタジオアルバムを制作するだろう。70年代にもっと時間をとって、アルバムを作っていればと思うんだ。僕たちはツアーに多くの時間を割いていたけれど、クリエイティブなモードのときに、もっとスタジオでレコーディングしておくべきだったと思う。

Q29:新しいロックバンドの曲を聴いたりするんですか?
A29:ザ・ブラック・キーズの曲は、とっても良かったな。60年〜70年代には考えられないけれど、今ではテレビやラジオで、良いロック音楽に出会うことも多い。バンドや曲の名前が知りたくても、クレジットを見逃したりと名前が分からないままのものも多いけどね。今でも素晴らしいバンドはちゃんと存在しているよ。

Q30:好きなレッド・ツェッペリンの曲は?
A30:『カシミール』だな。ジミー・ペイジやバンドが受けた様々な影響が、全て詰まっているからだ。『移民の歌』もスゴい。どうやったらあんな曲が書けるんだ。やはりジミー・ペイジは天才だ。

参照元:Reddit[1][2](英語)
執筆:小千谷サチ
イラスト:稲葉翔子

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