ジョン・レノン、ジミ・ヘンドリックス、カート・コバーン……今も語り継がれる音楽界の天才たち。彼らが天才と呼ばれる理由は、業界を一新するような革命的な音楽を発明したことにある。「もう限界だろう、もうやりつくされただろう……」そういった表現の壁を天才はいともたやすく超えていく。まるでそこに壁なんてなかったかのように。
個人的感想を言うなら、ここ最近の音楽業界は天才不足。しかし、今回ご紹介する動画の男はそんな状況を変えるかもしれない。演奏開始10秒で観客を虜にする様子はまさに天才。しかも、この演奏が行われたのは奈良だ。常識を打ち破った伝説の演奏をその目に焼き付けろ!
・カウントからすでにおかしい
映像は奈良県バンドフェスティバルの一幕。大学・一般合同バンドの部に出場したとあるブラスバンドのものである。動画を再生すると、指揮者の男性の「1、2、3、4」というキレの良いカウントからラテン音楽の楽曲『エル・クンバンチェロ』の演奏が開始する。……ん? 「3、4!」の時、指揮者の動きが若干おかしかった気がするが……。
・怒涛の2秒
カメラがバンドを映して再び指揮者に戻ってきた7秒目、ノリノリの彼がマッハの勢いでジャケットを脱ぐと……ファ!? 金ピカだ!! そう、彼は中に金のラメシャツを着ていたのだ。さらに、金ピカの彼がゲッツのようなポーズをすると同時にバンドがバーーーーン!! この間わずか2秒。怒涛の展開すぎて頭が追いつかないっ!!!
・音を楽しむ
この指揮者の名前は瀬尾宗利さん。神奈川県川崎市で活動する一般の吹奏楽団「パストラーレ・シンフォニック・バンド」の常任指揮者である。バンドイン以降も瀬尾さんはキレッキレで踊りまくり。
その姿は振付師のラッキー池田さんやダンサーの真島茂樹さんを彷彿とさせる。そして、その動きに呼応するように笑顔で楽しそうに演奏する楽器陣。こちらまで楽しくなってしまう良い演奏である。
・ネットの声
2010年にアップされたこの動画は、2016年現在再びツイッターで話題となっている。以下がこの動画に対するネットの声である。
「指揮者がオネエっぽくてじわる」
「演奏開始10秒で吹く」
「こんな指揮者とやりたい!」
「激しい指揮者だな、と思ったら開始10秒持たずに指揮棒がログアウトして笑った」
「最初は面白くて見てたけど演奏に鳥肌が立ってしまった」
「まさに ”音” を ”楽” しんでる」
「やっぱり音楽って凄いよなぁ」
「パーカスがみんな笑顔……すてき!」
「楽しそうで何よりです」
「こんな最高の指揮者見たことない」
「ちょっと松ケンサンバに似てない?」
「パーカス疲れそうと思ってるパーカスです」
体全身で音を楽しむ姿は、ネット民たちにも好評のようである。個人的には、南米の指揮者グスターボ・ドゥダメルとシモン・ボリバル・オーケストラの演奏に通じる楽しさを感じた。ブラスバンドとオーケストラという違いはあるが、演奏している曲もラテン曲なので、ひょっとしたら参考にしているのかもしれない。音楽って本当に素敵ですね。
▼音を楽しんでいる様子に、こちらまで楽しくなる良い演奏だ
▼最終的にお祭り状態になるシモン・ボリバル・オーケストラ